子どもの発達に不安を感じるとき


私は在職中に発達の遅れや偏りのある多くの乳幼児とその保護者と関わってきました。また私には乳児期から発達が遅く、現在は中度知的障がいがあると言われている娘がいます。
それらの経験を通して、子どもの発達に不安を感じるときについて綴ります。

私の経験は就学まで(年長まで)に限られるため、乳幼児期の発達と思っていただけると助かります。

私は多くのケースとのかかわりから、子どもの発達の可能性は無限だな、と感じています。
いわゆる「一歳半健診でひっかかった」という場合で、支援者サイドからみてかなり気がかりがあっても、三歳半健診で「気がかりなし」となり、成長が追いつくことはまぁまぁあります。
でも逆も然りで、一歳半健診で気がかりなしとなっていても、その後に気がかりが顕在化することもまぁまぁあります。

子どもの発達に不安を感じた場合、「発達の遅れや偏り=将来的な(知的•発達)障がい」と捉えるのではなく、現在の発達状況を把握して、今受けられる支援を受け入れるのがいいと思います。

この時期の支援とは、具体的には発達相談を受けることや親子教室や療育に通うことです。

ここで発達相談について説明します。
住んでいる地域によって若干の違いがあると思いますが、大体同じだと思います。
一回一時間くらい、予約制、子どもと保護者で行きます。相談対応するのは心理職員です。発達検査(大体、自治体で乳幼児期に行うのは新版K式発達検査になると思います)で子どもさんの様子を見るのと、保護者から家での様子や心配•困りごとなどについてお話を伺います。

発達相談を受けるメリットとしては、子どもの発達状況を知ることができる、心理職から日常の生活や遊びの中での関わりのアドバイスをもらえる、親子教室や療育を紹介してもらえる、などでしょうか。保育園や幼稚園に通っている場合、その園との連携をしてもらえる場合もあります。親が園に対して要望しにくいことも、保健センターなど発達相談を実施する機関から連絡し、要望してもらえます。

それでも、発達相談には抵抗がある、という方もいると思います。
その場合は無理に受けなくていいと私は思います。

私も娘と何回も受けましたが、発達相談ってけっこう親は傷つくものです。
発達の遅れや偏りって、日常子どもを育てていればなんとなくわかりますよね。分かっていても、それを第三者からあらためて言語化される、なんなら数値化される(発達年齢や発達指数)と、けっこうくるものがあります。もちろん、客観的な見立てがもらえてスッキリするという部分もありますし、関わり方などのアドバイスがもらえてよかったと思う部分はあります。

親が受けたいと思って受けてもそんな感じなのだから、受けたくないと思っているときに受けるとかなりのダメージがあるかもしれません。

また、注意点としては一般的に保健センターで行う発達相談は心理職しかいないため、診断は受けれないです。発達障がいや自閉症などの診断を受けたいと思う場合は、一般的に医療機関で発達検査を受け、医師の診察を受ける流れになります。保健センターでも、医師の相談をしている場合もあり、そこで見立てを聞くことや紹介状を発行してもらうことは可能ですが、診断書の発行はできません。

次のnoteで障がい受容や発達の遅れ•偏りに対する気持ちの受け入れについて書こうと思っていますが、発達の遅れや偏りに気がついた時に受け入れられないと思うのはふつうのことです。

自分の気持ちは追いつかないけれど、子どものためになるなら発達相談受けてみようかな、親子教室行ってみようかな、とそんなふうに思えるといいのかなと思います。

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