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3月に観た映画

ひさしぶりの投稿です。
この間に世界は一気に変わってしまい、巣ごもり生活もだんだん日常となってきましたよね。基本インドアだし配信作品はたっぷり楽しんでますが、映画館派なので時々無性に寂しくなります。
もちろん4月に入ってからは映画館に行ってナーイ!
ふと3月のスケジュールアプリを見てみると13本観に行ってました。
「きっともうすぐ映画館もクローズになる…!」と恐れてめっちゃ観に行ったんですよね。
以下、3月に観たのはこんなラインナップ。

劇場版SHIROBAKO
1917 命をかけた伝令
ミッドサマー
黒い司法 0%からの奇跡
スキャンダル
名もなき生涯
野性の呼び声
彼らは生きていた
レ・ミゼラブル
ジュディ 虹の彼方に
ジョン・F・ドノヴァンの死と生
スケアリーストーリーズ 怖い本
ハーレイ・クインの華麗なる覚醒 BIRDS OF PREY

そのうち絵を描いていたものをご紹介。

劇場版SHIROBAKO

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「SHIROBAKO」はアニメーション制作会社を描いたテレビアニメで、今回その続編が劇場公開されていました。アニメ制作というちょっと特殊な業界ものではありますがざっくり言うと「お仕事」に関する話で、これはもう働いてる人なら絶対胸熱になるシーンがいくつもあるんじゃないか?って傑作です。劇場版でわたしがもっとも胸熱だったのは、完成したアニメ映画を主人公たちが観に行く映画館が吉祥寺のあの、今はないあの映画館…がリニューアルしてる!ってところですね。入り口のクレープ屋とかまんまです。絵で描かれたアニメだから余計にグッときました。

スキャンダル

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FOXニュース創立者による社内セクハラに女性社員たちが訴訟を起こした実話。まず女優陣が豪華!オスカー受賞したメイクによっていつもと雰囲気が違うのもおもしろい。この映画というか事件でびっくりしたのは被害者の数。もちろん1人しかいなかったとしても大問題ですがやっぱり数字って万国共通だから提示されただけでものすごいショックが伝わる。シャーリーズ扮するキャスターが証言するって決めた時に「ではあなたは証言人●という事で…」って、アルファベット1文字を伝えられるんですね。そのアルファベッットが何だったがちょっと忘れてしまったんですが結構後半の文字で、シャーリーズが「●はアルファベットで○番目…という事は被害者は私で○人」って言う。速攻で何番目か言えるシャーリーズ頭いいなー!とわたしみたいなバカはびっくりしたんですが、同時に映画のなかの数字における効果…みたいなものも再認識させられました。教会内の児童への性虐待を描いた『スポットライト 世紀のスクープ』でも「えっそんな多いの!!?」とびっくりしたものです。あと本作にも出演してる二コール・キッドマンの2001年の『アザーズ』で、子供が屋敷の中で見た幽霊と見た回数を壁に描いてたのもゾッとした記憶があります。「おばあさんが一番怖いんだ…」って言って二桁の数字が書いてあるの。

名もなき生涯

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ナチス政権下で徴兵されるもかたくなに忠誠を拒んだ男性の実話。滅多に撮らない事で有名なテレンス・マリック監督作です。これはやっぱり監督が「今伝えなければ」と強く思って世に出したんだろうなと思いました。今の世の中がどんどんナチス政権下みたいな方向に向かっている…そういう警鐘を鳴らすような映画が増えた気がします。しかも今現在の新型ウィルスの流行で更に危うい加速の仕方をしてるし。戦争を描いた作品以外にも昨今はポン・ジュノ、ケン・ローチなどが経済格差についての映画を撮っていますが、そう考えると世界はCOVID-19以前からとっくに壊れかけてたんですね。この映画は本当に残酷なんだけど同時にものすごく美しかった。標高の高い小さな村がほんとうにささやかで、この世じゃないみたいな厳かさもあるんだけどそこにも戦争の影が伸びて、このあいだまでケンカすらしなさそうだった村人があっという間にナチとファシズムに傾倒していく様子も怖かった。そしてこれがそんなに昔の話じゃないってことも忘れちゃいけない。

1917 命をかけた伝令

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第一次世界大戦のさなか、ある伝令のために移動する兵士…っていう話だっていうのは知ってたけどほんとに「それだけ!」っていうシンプルさと「走る」って動きと映画との相性の良さの勝利。戦争を描くっていう俯瞰的なものではなくて、観客を戦場に放り込んで戦争がどれだけ残酷で無意味なものかをこれでもかって叩き込んでくれる。つくづく戦争が不条理だと思うのはあの世界においては「死」のほうが自然で「生きてる」って事のほうが不自然って事。途中で遭遇する、空爆が行われる下でただ居るだけの牛、赤ちゃんと隠れる女性…なんかはもうそこで生きてるって事がただただ不憫で、なんならもう最初から死んでてくれた方が安心する…って事を思う自分に驚いた。だって牛は余った弾でおもしろがって撃ち殺されるし、若い女性なんか兵士たちに見つかったらどんな目に遭わされるかって事を思うと主人公が最初に遭遇した「切り倒された桜の木」があの映画の中で一番幸せだったんじゃないかって気さえした。同時期にピーター・ジャクソンの驚異のドキュメンタリー映画『彼らは生きていた』が観れたのもほんとうによかった。

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