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気絶した。

先日のお泊まりは飴さんと私の職場の同僚紅ちゃんと3人で飲み。
飴さんと紅ちゃんは2度目まして。
初めましての記事はこちら。


今回訪れた紅ちゃん行きつけのお店は雰囲気も良い上にとにかく品揃えがめちゃくちゃ私たち好みで、飴さんは「俺が今まで行った飲み屋でナンバーワン!」と絶賛し、飴さんちからは結構行きにくい立地にも関わらず今回食べきれなかった気になるメニューを制覇するためにあと4回は行かなければならないと言っていた。
たくさん食べて飲んで喋って笑い、楽しく帰路へ。
地元の紅ちゃんとはお店の前で別れて私たちは駅に向かう。
私はあまり飲まなかったけど飴さんは結構酔っ払ってていつも以上にハイテンションで口数も多く「酔っ払いを連れて帰るのメンドクセー」なんて心の中で思っていた。
これが盛大なフラグになるとも知らずに。

週末夜の電車は割と混んでおり、私たちはドア付近に立っていた。
酔っ払い飴さんも車内では流石にちょっと静かだった。
特急電車なのでほぼノンストップで20分ほどの距離である。

異変が起きたのは、あと5分ほどで最寄駅に着くくらいの時だった。
うっすらと気分が悪くなる。
そこまで飲んでないのに。乗り物酔いかな。
と思っていたら目の前の景色に現実味がなくなってきた。
この感覚は多分アレだ。ヤバい。
すぐに斜め後ろにいた飴さんに声をかけた。
「飴さん。私、貧血かも」
「え!?」

………

気付いた時、視界に電車の床といくつもの靴が見えた。
誰かがすぐ側でしゃがみ込んでいる私の脇を抱えていた。
顔は見えなくて、でも私の知ってる手だった。

「…飴さん。私、倒れた?」
「うん。大丈夫やからな」
「ごめん」
飴さんだって人に見られて恥ずかしいだろうに。
私は慌てて立ち上がった。

………

再び電車の床が見えた。
今度は知らない女の人の顔も。
「足を伸ばした方がいいですよ」
女の人が言うとすぐ側で
「もう降りるから大丈夫です。ありがとうございます」と聞き慣れた声がした。
電車がホームに滑り込んだのは程なくしてだった。

飴さんにガッチリ腰を抱えられて電車を降りた。
とりあえずホームの待合室に入り腰をおろす。
私は自分でもわかるくらいに全身が冷たく、そして信じられない量の冷や汗をかいていた。
よろよろとポケットからハンカチを出して汗を拭いてるうちに少しずつ血の気が戻るのを感じる。
「ごめんよ」
「全然。大丈夫か?」
「うん。汗だくやから早くお風呂に入りたい」
「今日は風呂禁止や」
「えー…せめてシャワー」
「じゃあサッとだけな」
「酔いも覚めたやろ笑」
「覚めたよ笑」
その後、私はもう大丈夫と言ったけど、飴さんは家に着くまで私の腰をずっと抱えていた。
結局連れて帰られたのは私の方だった。

落ち着いてから事の顛末を聞いた。
私は貧血かもと告げた後すぐに意識を失い崩れ落ちたらしい。
飴さんは咄嗟に自分の膝を出してそこに私が座るようにしたけど、あまりに私が脱力していて座ることも出来ず、脇を支えようにも腕がぐにゃぐにゃで抜けてしまいそうだったのでとりあえずスピードを殺して床に座り込ませたとのこと。
十数秒ほどで意識を取り戻すも立ち上がった瞬間再び崩れ落ち、その際男女2人組が駆け寄ってきて声をかけてきたらしい。
(飴さんは「アレは医者と看護師ちゃうか。素人には見えんかった」と言っていた。ちなみに私は女の人しか見えておらず、男の人もいたとは知らなかった)
意識がない間は時間の感覚もないのですごく長く感じたけど、ほんの数分の出来事だった。


飴さんはものすごく心配していた。
付き合ってから今までの間、飴さんに心配されたランキングをつけるなら一位は1回目のコロナで二位がヘルニアだったのだけど、今回はそれらを大きく越えてきた。
シャワーを浴びてる間は何度も脱衣所まで様子を見に来たり(私は気付いてなかったけど)、夜中にトイレに起きれば寝てたはずなのに「大丈夫か?」と声をかけてきたり。
貧血だと事前予告はしたものの、まさかそんな盛大に全力で意識消失するとは思ってなかったのだろう。
つーかちゃんと予告してから気絶した私エライ。

実は意識消失したのは今回が初めてではない。
飴さんと付き合ってから2回目、トータルだと多分4回目くらいだ。
しかし今までは1人でひっそりと気を失ってひっそりと回復していたので(と言っても知らない人には囲まれた)、今回その時の様子を初めて詳しく聞けたのは良かった。
そして飴さんがいてくれて本当に良かった。
何せ前回気を失った数年前は倒れた時にどこかで頭を打ったらしく意識が戻った時後頭部がズキズキ痛み、MRIを取りに行くハメになったので(結局異常はなくたんこぶだけだった)、今回無傷で済んだのはひとえに飴さんのおかげである。

原因は恐らく脳貧血だ。
もっとたどれば低血圧だ。
今までこうなったのはほぼ立ちっぱなしシチュエーションなので。
しかし数年に一度とは言え、こんなガッツリ意識がなくなるのは良くない気がする。
意識が遠のくとか人の声が遠くに聞こえるとか言うレベルではない。
周りの音なんて全く聞こえなくなるし、たんこぶ出来るほど頭を強打しても記憶にないくらいだもの。
例えるなら時間をワープしたような感覚だ。
まごうことなき、気絶。

ネットで色々調べていると「気絶は決して珍しいものではなく日本人の5人に1人は一度は経験している」と書いてあるのを見て驚いた。
5人に4人は経験してないのか。
んで、5人に1人のうち私の年代で複数回経験してる人はどのくらいなんだ。

飴さんもやはり私の低体温低血圧が原因ではないのか、ちょっと血圧計を買って毎日計測した方が良いのでは、と言ってきた。
確かに低血圧については多少気になっていたので、翌日早速血圧計を購入。
起床後と就寝前に測るのが良いと説明書に書いてあったので、早速翌朝測ってみた。

やっぱ、良くはないよなー…。
どうしたらええのんや。

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