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Photo by
tomoko_koyama
さよなら
年老いた太陽が
いつまでも水平線に触れずにいる
時計は止まったままで ぼくら
ずっと夕暮れの中にいる
あの時
きみにさよならを言って良かった
二人が知らなければならなかったことは
二人でいたら
きっと知り得なかったことだから
あの時
きみにさよならを言って良かった
賑やかなお喋りを止めなければ
貝殻の音楽に
二人は耳を澄ますこともなかったから
白紙のページの砂の上の
幾筋もの足跡がつくる幾何学模様
上空を飛ぶカモメは
そこに
どんな物語を
読み取とることもしない
ビールの泡立つ音
それは太陽が海に触れる音
そして二人の
長いさよならが終わる音
きみにまた会えて良かった
驚いたことに
きみは未だ
ぼくの今日に潜む明日
きみにまた会えて良かった
時計は動き始め 陽が沈み 夜がくる
きみにまた会えて良かった
あの時
きみに
さよならを言えて良かった
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