久しぶりの大幅安

https://www.nikkei.com/article/DGXMZO62124340R30C20A7000000/

7月最終日の日経平均株価は6日続落し、およそ1ヶ月ぶりに2万2000円を割り込みました。しかも下げ幅は600円を超え、安値引けとなりました。
なぜこのような下値を試す厳しい展開になったのかというと、簡単にいうと、新型コロナウイルスの世界的な再拡大により、日米中心に景気がさらに悪化することへの不安が広がったためです。

アメリカの4-6月期のGDP速報値が過去最大の悪化となりました。
今、アメリカでは新型コロナウイルスの感染者が再拡大しているため、4-6月期が底にはならず、アメリカ景気の先行きが一段と悪化するのではないかと警戒感が広がりました。
そのため、為替は1ドル=104円台前半と、4ヶ月半ぶりの水準までドル安・円高が進み、輸出関連株の収益悪化が意識されたのです。

その他、今、日本企業の決算発表が相次いでいるのですが、コロナ禍で経済活動がストップしたり、停滞した影響で、最終赤字になったり、市場予想を下回ったりと業績が悪化する企業が続出し、配当を減らしたり、無しにする動きも目立っています。
今日の東京都の感染者数は400人を超え、過去最多となり、全国的に感染者が急増。先日、東京都が酒類を扱う飲食業やカラオケ店に短縮営業を要請しましたが、今度は再び休業要請に動いたり、国も緊急事態宣言をまた発令するのではないかとの懸念から、国内経済がさらに悪化することが連想され、一部であった7-9月期の企業業績や景気の回復説に懐疑的な見方が広がっているのです。

番組でも懸念としてあげていた、ヨーロッパでの感染再拡大も起きていて、特にスペインやドイツで感染が目立ち、昨日のドイツ株はアメリカ株よりも大幅安となっていました。

ワクチンや治療薬ができ、それが広がるまではやはり世界的な経済の回復は難しそうに感じます。

番組でも話しましたが、為替のユーロ・ドルはEUの復興基金の合意期待で上昇してきましたが、実際に復興基金が合意したニュースが入った時、ユーロにはいったん売りがでました。
そして、その後はドル売りの様相を呈しました。きっかけは、日本が4連休に入る前、トランプ大統領が久しぶりに行ったコロナに関する会見で、コロナの感染状況が悪化していると、楽観姿勢を修正してきたことから、ドル売りの流れに変わってきたと感じています。

その後、再びユーロ・ドルは上昇しましたが、ドイツのGDPは悪化していましたし、アメリカの長期金利が4ヶ月ぶり水準に低下してることを考えても、ドル売りが強まっていると思います。

ユーロ圏のGDPの大幅な悪化を受けて、ユーロドルの上昇はいったん一服するかもしれませんが、ドル円は時間をかけながらもう少し下にいく可能性がありそうですね。

7月の日経平均は月間で578円安と、4ヶ月ぶりの下落となりました。
8月相場はどうなるか。。まだまだ来週も決算発表が相次ぎますし、コロナの状況や為替と併せて見極めていきたいです。そして、GAFAの好決算を受けナスダックは引き続きしっかりなのか?世界景気が一段と悪化すると影響がでてくるのか、これまでの柱、IT、ハイテク株の行方はこの先のマーケットを占う上でとても重要になりそうです。

国内企業決算では好決算や市場予想を上回るものも散見されています。その中身をみると全体感も捉えることができるので、しばらくはその作業を粛々として、コロナ禍での企業の成長度合いをみていきたいなと思います。
巣篭もり関連で宅配企業や、富士通、アンリツなど5G関連の一角、ネットマンガや、ゲーム関連、食品などディフェンシブの一角、パンやたこ焼き、パンケーキを作る製粉系も需要が高かったようです。
一方で、私の好きな百貨店、アパレルの一角の他、陸運株、外食、カメラ、事務機関連などは毎日のように売りが続き、厳しい展開でした。そして、化粧品や機械、時計、自動車も冴えませんでした。
今日の東証1部の年初来安値更新銘柄数は100に迫り、久しぶりの多さになっていました。

国内景気はさらに厳しくなりそうで、身近なところでも縮小の動きを目の当たりにしています。閉店の張り紙もよく見るようになってきましたが、このままいくと業績悪化に続き、人員削減、倒産、賃金低下、消費の冷え込みと、負のスパイラルに陥ってしまうかもしれません。
こうし中で、弱い立場の人たちがさらに苦境に立たされるのは避けたいものです。企業努力はもちろんですが、そこは政治の力を発揮してもらいたいものです。https://www.nikkei.com/article/DGXMZO62071160Q0A730C2MM0000/


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