6月相場を振り返る

https://www.nikkei.com/article/DGXLASFL30HRY_Q0A630C2000000/

6月の日経平均株価は、月間で410円高と、3ヶ月連続で上昇しました。

日経平均は6月上旬に2万3000円を回復し、1月20日につけた年初来高値2万4083円を超えていくのではという期待も一時は膨らみました。
アメリカの経済指標がいったん底打ちをみせた他、FRBをはじめとした世界の中央銀行の金融緩和により過剰流動性相場が続いたため、このような上値を試す相場になりました。
しかし、2万3000円をキープしたのは3日間で、足もとでは、アメリカの新型コロナウィルスの感染者数が過去最高となり、経済活動の一部について規制を再強化する動きがでてきています。
南米など新興国でも急拡大していますし、中国でも一部経済活動を停止する動きがみられます。
改善をみせていた世界の経済指標は再び減速し、戻りが鈍くなる可能性が高まってきました。

日本はアメリカなどに比べると感染者は少ないですが、それでも再び増加傾向となってきています。
リニアの開業も延期され、来年に延期になった東京オリンピックもどうなるやらで、まだまだ余談を許さない状況です。
世界5大自動車ショーのひとつであるジュネーブ国際自動車ショーを主催する財団は29日、21年の自動車ショーを開催しないと発表しました。自動車の業績が悪化している他、来年3月になっても大規模なイベントを開催する許可がでる保証がないためだということで、21年のイベントの開催に影響を与えることになりそうです。

東京市場の物色を見渡すと、再び巣篭もり関連株が買われていて、日清ホールディングスや、東洋水産は上場来高値を更新。また、在宅勤務に使う家具などの販売好調が好感され、ニトリHDは12日続伸し、連日で上場来高値を更新。
東京エレクトロンや、レーザーテックも上場来高値を更新し、成長期待が膨らみました。
一方で、百貨店や外食、サービスが再び売られていたりと、第2波への懸念の高まりを読み取ることができます。

また、6月に上昇が目立った個別株として外せないのは5G関連。富士通は19年ぶり高値をつけ、NECは12年ぶり高値を更新しました。
去年はじめの方から、日経ヴェリタスでは5G関連としてこの2銘柄を注目していました。あの記事を読んでいた方はきっと利益を得たのではないでしょうか。
投資をするなら日経ヴェリタスはやはり読んだ方がいいなと、改めて思った次第です。

そのヴェリタスが今週注目していたのはデジタル技術関連。政府が支援する動きも伝わってきていますし、国産化の動きも増していくかもしれません。
そして、ヴェリタストークのゲスト、日本総研のチェアマンエメリタスの高橋進さんが仰っていたように、医療、デジタル、グリーン分野への注目度は益々高まっていきそうです。

世界景気が減速しても、ピンチをチャンスに変えるたくましい企業はいつも存在感します。
コロナで世の中の価値観が変わり、どの企業が大きく成長していくのか。楽しみでもありますし、応援していきたいです。

一方、東証マザーズ指数は週間で12週連続上昇を先週までみせています。
コロナ禍でバイオ関連や、IT関連が多いマザーズが人気を集め、大きな値動きは個人投資家に魅力的にうつったようです。
2ヶ月半ぶりにIPOが再開されたことも、資金がむかう要因となりました。ただ、足もとマザーズ指数は4日続落し、IPOも乱高下気味です。これは循環物色の只中なのか、全体が弱くなる暗示なのか。。

明日からは7月相場がスタートしますが、4月、5月は月間で1000円以上上昇してきたことを考えると、6月は410円高と、上昇幅が鈍化しています。
世界でコロナ拡大により、経済活動が制限される動きがさらに広がると、さすがに上値追いはできないように思うのですが、、。

下期相場についても、毎日お伝えしていきますので、是非番組をご覧ください。

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