新型コロナウイルスとマーケット

今週は、新型コロナウイルスに社会もマーケットも揺れる1週間で、慌ただしく過ぎていきましたね。

2月最終週の日経平均は、週間で、2243円安と3週続けての下落で、下げ幅はリーマンショック直後の2008年10月6日〜10日以来の大きさでした。
また、2月の日経平均は月間で2062円安と、2ヶ月連続で下落し、2018年12月以来の下げ幅となりました。

2月17日、日経CNBCの番組、ラップトゥデーの冒頭で、私は、「12日に過去最高値を更新した後もそこまで大きく崩れないアメリカ株ですが、本来はアメリカと中国は経済的な関係性が深くなっているはず。
ここからアメリカ株が崩れると、、新型コロナウイルスを巡って企業業績への懸念などから先に下落してきた日本株はさらに下押されるのではないかと。」疑問を呈しました。
なぜ、あの時そう言ったのかというと、
アメリカ株をすすめる声があちこちで聞こえるようになってきていて、記事や情報も多く目につき、
アメリカ景気やアメリカ株は大丈夫という魔法に人々がかかってしまっていると思ったからです。
そこで、空気を読めないのか、読んだのか分かりませんが、このままだと見誤ってしまうのではないかと思って、私は勇気を出して言いました。
私は、2005年くらいからマーケットに関わってますが、何度も人々が魔法にかかってしまう局面を見てきて、それを面白い不思議な現象として捉えています。
そのアンテナがぴぴっと反応したのです。
その夜、新型コロナウイルスの影響で、アップルの売り上げ見通し未達が発表され、アメリカ株も変調していったのです。

振り返ると、1月20日、まだコロナウイルスの危機意識が世の中になかったころ、番組の大引後に、FTの記事を取り上げました。
それは、中国武漢で感染者が1700人を超えているのではというイギリスの専門家の見方で、
今となってはそれも大きく超えてしまってますけれど、
当時、中国が公式に出していた感染者数はまだ少なく、このイギリス専門家の見方との乖離に驚き、そして、これまでの中国のことを考えると、これは感染者がもっといて、大変なことになるのではないかと不安になったので伝えさせていただきました。
そして、その週の1月23日、ラップトゥデーのラスト10ミニッツというコーナー中で、今後さらに感染が拡大して状況が悪化し、人や物の経済活動が滞ると、景気に悪影響がでてくる可能性もお話しさせてもらいました。

話を戻しますが、為替についてもお話ししていました。
豪華客船ダイヤモンドプリンセスでの、一部で問題あるとされた衛星環境などが世界に伝わったことで、株だけでなく、為替でも、日本売りが起きているのではと言われていて、
このまま円安が進行するならば、輸入企業の業績下押し圧力となるし、原料高なども起き、ただでさえコロナの影響で、日本の景気を1番支えてきたインバウンドがなくなり、売り上げ減となってる中、企業は価格転嫁できず、ダブルパンチになってしまう懸念も考えました。
ただ2月21日、為替は1ドル=112円台と、10カ月ぶりのドル安・円高水準となったのですが、場中でアメリカの10年債利回りが去年9月以来の1.5%割れとなっていたので、
ラップトゥデーの冒頭で、私は為替を見る上で、来週のアメリカの長期金利の動きにも注目したいと、円高に戻る可能性をお伝えしたところ、
週明けの為替相場は一転してドル安・円高に。アメリカの10年債利回りは過去最低を更新しました。

2月17日の番組では、アメリカ株安からのドル安・円高への可能性も指摘していましたが、2月28日には、円相場は1ドル=108円台と1ヶ月ぶりの円高水準にとなりました。

また、2月26日水曜日、ラップトゥデーの冒頭では、新型コロナウイルスに関して、サンフランシスコが緊急非常事態宣言を発表したことを紹介した上で、
サンフランシスコには、韓国などアジア系の方が多く住んでいますし、
アメリカ疾病対策センターも感染の拡大は時間の問題だという見方がて出るとお話ししました。
私は大学時代、アメリカサンフランシスコのバークレーに短期でホームステイしていたことがあったのですが、大きなチャイナタウンがあるのは有名で、コリアタウンもありましたし、このところのサンフランシスコのニュースを見ていると慰安婦像が置かれるなど韓国との政治的な繋がりが強くなっていて、多くの韓国人が住んでいます。
そしてもちろん、サンフランシスコは相変わらず日本人にも人気のエリアです。
アジアの人びとが多いサンフランシスコで一気に感染が拡大することが容易に想像できましたし、
急落したアメリカ株がさらに売られる可能性を感じ、取り上げました。

すると、その翌日アメリカでは、
カリフォルニアで、新型コロナウイルスの市中感染が起きているという発表があり、
番組冒頭で、それが伝わったあと、全面安の中で空運株や旅行関連株が一段安となったこともお話ししました。
その日のアメリカ市場には不安が広がり、NYダウは過去最大の下げ幅を記録。売りが売りを呼び、下げ止まらない展開となりました。


その他にも最近取り上げたのは、
アメリカマスターカードの売り上げ見通しが下方修正されたこと。
サンフランシスコには、アップルなど有名などIT企業が拠点を置く、シリコンバレーがあること。
アメリカ半導体指数SOX指数は調整局面とされる10%を超え、15%以上急落したこと。その後これまで買われてきたハイテク株にも売りが波及したこと。
タイやインドネシア、フィリピンなど東南アジアの株価が昨年来安値を更新したこと。
また、これまで金利低下の局面で買われてきた東証REIT指数が連日で安値引けして急落していて、インバウンド減でホテルREITの運用環境悪化や、国内景気の悪化懸念から、不動産株の下落も目立ってることなども話させてもらい、
翌日、セクター別ランキングで下落率トップとなったのは、不動産株になってました。
などなど、その他にも日経CNBCの番組では色々なことをお伝えさせて頂いています。

私は20年間報道にかかわりニュースをお届けしてきていて、15年間毎日東京マーケットを見ているので、ちょっとした変化にも敏感になりやすいのかもしれませんが、今後も、視聴者の方に
より良い、少しでもお役に立てるような、先読みの情報をお届けできたらと思いますので、是非番組をご覧くださいね。
そして、番組コメンテーターや記者の様々な見方をお届けし、今の状況や、先々の見方、その中での投資戦略などを探っています。出演者の方々の話しを聞くのは面白いですし、発見があり、新たな創造が生まれます。
地上波ではなかなか扱われていない経済の話が盛り沢山です。
新型コロナウイルスにより世界経済が後退する懸念がでてきていますが、
みなさんに毎日番組を見て頂いて、一緒に考えて頂き、ご自身の答えを導き出して頂けたら嬉しく思います。


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