ゲイリー・オールドマン
『レオン』まではキレキャラのイメージしかなかったゲイリーだが、最近は老眼鏡が似合う人になってしまった。
そう。疲れたような中年男性。あんなにエキセントリックだったのに、いまや口数も少ない。最近サム・ロックウェルを見るたびに、在りし日のゲイリー・オールドマンを思い出すのは私だけだろうか。
『バットマン』が転機だったのかな~まさかゲイリーがあんな善い人を演じるとはなあ。ファンとしてはちょっぴりさびしい気もしたが、かといってほかに方向性もなく、まあ出演作があってよかったと思うしかない。
『裏切りのサーカス』では「いぶし銀」とまで言われちゃってさ。まだそこまでの境地には到ってないっつーの。単に抑えた演技もできるんだというのが世間の評価。
でも、みんな忘れてるみたいだけど、『蜘蛛女』のゲイリーがどんなに素敵だったか。落ちぶれた警官役。汚職に手を染めて、でも小者で、誘惑に弱くて、ちょっと反省するんだけど抜け出す勇気もなくて、情けない男。
これがもうピッタリだったのよ。
私はこの作品で、ゲイリー・オールドマンを見直した。前から好きな俳優だったけど、意外にもこういう路線がイケると思って嬉しかった。
彼が『チャーチル』で俳優道を極めたはずはない。もう1度、とびきり情けない極悪人姿を見せてほしい。
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