見出し画像

戸隠のちょっとマニアな話 vol.3

本日の戸隠マニア情報、テーマは
「戸隠神社は元々お寺だった!」

修験道について詳しい方には、当たり前の話かもしれませんが、驚かれた方もいらっしゃるかもしれませんね。

戸隠神社は明治時代までは、「戸隠山顕光寺」という修験道(天台宗)のお寺でしたが、明治政府の神仏分離政策で仏像が撤去され、「戸隠神社」になりました。

戸隠山顕光寺の開山は849年、前回お伝えした飯綱山で修行していた学問という行者が法華経の功徳により戸隠の龍神(鬼)を霊窟に封じたことから始まります。
今でも龍神の住まう霊窟には毎日米三升が神職によって供えられ、次の日には跡形もなくお召し上がりになるそうです。

修験道では御仏がこの世を救うため神の姿(権現)となって現れる本地垂迹説に従って神仏習合の寺院が建立され、仏と神を一緒に祀ってきました。

戸隠においても

  • 奥社(天手力雄命=聖観音菩薩)

  • 九頭龍社(九頭龍大神=弁財天)

  • 中社(天八意思兼命=釈迦如来)

  • 宝光社(天表春命=将軍地蔵)

  • 火之御子社(天鈿女命ほか=薬師如来)

このように神々の本地仏が祀られていました。

奥社本地仏である聖観音菩薩は霊験あらたかで、戸隠でいただけるおみくじ「観音籤」には次のような逸話があります。

徳山家康の腹心、天海僧正の夢に、日ごろ帰依する元三大師が現れ「信州戸隠山にある観音籤で、信心して占えば、人の願いに応じて吉凶、禍福を知らしめるであろう」とのお告げがありました。早速、天海は戸隠のおみくじを取り寄せ、経をとなえ、ゆすりながら筒の口から出た籤で占ってみると、将来のことが手に取るように明らかになった

戸隠神社
戸隠祈祷御籤

現在のおみくじは仏教色の強い「観音籤」ではなく、神の歌からの啓示をいただく「祈祷御籤」になっています。
神職が祝詞を唱えて戸隠大神の神託を受ける特別なおみくじですので、ぜひ神のお言葉をいただいてください。
信心すべき神の名も記されています。
私の場合は火之御子社、戸隠裏山高妻山に祀られている高皇産霊神でした。
祈祷御籤をいただく際には、「数え年」が必要なので、覚えておいてくださいね。

誕生日前 → 満年齢+2歳
誕生日後 → 満年齢+1歳

さて、明治時代の神仏分離令で御仏は散り散りになりました。
廃仏毀釈の流れで多くの御仏が破壊されましたが、戸隠の御仏は地域の寺などで大切に守られ、文化財としても非常に価値のあるものとして保存されています。

・釈迦如来は哀愍山地蔵院
・聖観音菩薩は天徳山長泉寺
・将軍地蔵は善光寺大本願
・仁王は寿福山無量院寛慶寺
・弁財天は旧本坊勧修院久山館

地蔵院の山門
地蔵院の釈迦如来

このように現在は神仏が別々に祀られていますが、戸隠奥社近くには祭神天手力雄命の本地仏である聖観音菩薩の小さな石像が今でも残されています。

長泉寺
長泉寺の観音堂
善光寺大本願
寛慶寺
戸隠奥社の石仏(聖観音菩薩、他)

奥社参拝の際には、神も仏も、ともに尊いものとして祀る、日本人の懐の広さや感性に思いを馳せながら小さな石仏に手を合わせてみてくださいね。

〈おまけ情報〉
お時間のある方は、善光寺と合わせ善光寺大本願、善光寺大勧進への参拝もおすすめします。
(善光寺詣だけで済ますともったいないです)
大本願宝物殿では戸隠の将軍地蔵、飯綱権現、伐折羅神将を拝観できるほか、寺内に入らないとお詣りできない出雲大社から勧請された竜蛇神、稲荷神社・秋葉神社詣りができます。
(普通には参拝できないので、知られていない神社ですがすごいパワーです)

善光寺大本願の中庭


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?