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森と神々

佐久市の森林セラピーロードは日本の神々と深いつながりがあります。
森林セラピーロード「平尾の森」は美しい女神「木花佐久夜毘売」が平尾山を御神体として祀られていますし、「春日の森」は月の神である「月読命」が降臨した土地として月にまつわる伝説が残されています。
セラピーロードについてお伝えする前に、日本の「神」について考えてみましょう。

日本における「神」の定義は江戸時代に国学者の本居宣長が「古事記伝」の中で記したものが有名です。

凡(すべ)て迦微(かみ)とは古御典等(いにしえのみふみども)に見えたる天地の諸(もろもろ)の神たちを始めて、其を祀れる社に坐す御霊(みたま)をも申し、又人はさらにも云(い)はず、鳥獣(とりけもの)木草のたぐひ海山など、其与(そのほか)何にまれ、尋常(よのつね)ならずすぐれたる徳(こと)のありて、可畏き(かしこ)物を迦微とは云なり。〔すぐれたるとは、尊きこと、善きこと、功(いさお)しきことなどの、優れたるのみを云に非ず、悪(あし)きもの、奇(あや)しきものなども、よにすぐれて可畏きをば神と云なり。

本居宣長「古事記伝」

宗教と道徳を混同せず、道徳や理性を超えた「人間の尺度で測れない尊く畏れ多いもの」として日本における「神」は存在しているのです。

海や山を神ということもあるが、それは海や山の霊を神というのではなく、海や山を直接に神と呼ぶ。それは海や山も「いとかしこきもの」であるからであると宣長は言う。

「日本民族体系2 太陽と月」

このように日本人が古来から持っていた森羅万象に対する感性に想いを馳せながら佐久の森を歩いてみてはいかがでしょうか。

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