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森林の癒しと健康増進効果

森林セラピストが行う森林セラピー(R)とは

森林セラピー(R)は「科学的エビデンスに裏付けられた森林浴効果」を意味する言葉として2003年に作られました。「セラピー」という言葉がついていますが、本来の「治療」、「療法」を意味するのではなく、高すぎる緊張状態、強すぎる交感神経活動を鎮静化させ、生理的リラックス状態をもたらすことを目指しています。

その効果は様々な実証実験や研究により、

  • 「自律神経系(身体の維持に必要な基本機能)」

  • 「内分泌系(身体機能の調整に必要なホルモンの産生)」

  • 「免疫系(がんやウイルス、細菌から身を守る機能)」

  • 「気分の安定」

という4つの領域で確認されており、森林セラピストは五感(視覚・聴覚・嗅覚・触覚・味覚)に働きかける森林でのプログラムを通じて、これらの領域を本来の状態に近づけていくお手伝いをしています。

森林の健康増進効果(森林安息と森林散策)

樹木からは生理作用のある化合物が空気中に放出されています。
そうした物質を精油などとして活用しているのが「アロマテラピー」です。
森林には天然の状態の化合物(総称してフィトンチッドと言います)が存在しているので、森林セラピストはセラピーを受ける方の心身の状態に合わせて、効果的な作用があると思われる場所にご案内して「フィトンチッド」をしっかり吸収できるように導いていきます。
フィトンチッドを吸収できる場所でしっかりと心身を休めることを「森林安息」といい、森林セラピーにおける2つの必須プログラムのひとつです。
もうひとつの必須プログラムが「森林散策」です。歩くことはストレスの発散にとても効果的ですが、森林を歩くことで、五感に働きかける様々な自然の恩恵を同時に得ることができます。「木漏れ日のゆらぎ」、「小川のせせらぎ」、「土の香り」、「落ち葉の踏み心地」などが心身を癒していくのです。

森林浴と森林セラピー

林野庁長官、秋山氏は1982年、最初に“森林浴”を提唱し、森林療法の概念を確立した。“森林の中には殺菌力を持つ独特の方向が存在し、森の中にいることが健康な体をつくる”とする、この構想の下につくられた林野庁のオリジナルの概念であった。それは健康な体をつくるために、国有林や他の自然林を利用して、心身ともに鍛えるためにそれらを利用することから始まる。国有林と自然林での生体反応を楽しみながら。健康な身体の状態を取り戻すためには、森林浴でのハイキングにより、健全な心身の健康状態を取り戻す必要がある。

群馬パース大学紀要 15, 3-8, (2013)「森林浴の歴史について」

日本で生まれた「森林浴」という概念を科学的に検証、発展させてきたのが「森林セラピー(R)」です。
「森林セラピー」及び「森林セラピスト」、「セラピーロード」は特定非営利活動法人森林セラピーソサエティの登録商標になっており、セラピー効果が認められた森や試験に合格したセラピストだけが「森林セラピー」・「森林セラピスト」という名称を使用することができます。

佐久市では森林セラピーに適した森として「平尾の森」、「春日の森」が2006年に認定され、森の案内を担当する森林セラピストを「佐久市癒しの森案内人」として登録しています。

佐久市は群馬県と接する長野県の東の玄関口。千曲川流域には佐久平が広がり、北に浅間山、南に八ヶ岳連峰や蓼科山を望み、東に妙義荒船佐久高原国定公園に抱かれた自然あふれる高原都市。
森林セラピーの基地は市の北東部と南西部の2カ所に分かれ、その1つは上信越白動車道佐久PAと接続するスマートICを出るとすぐという車でのアクセスに恵まれ、冬期はスキー場が開設される平尾山周辺の「平尾の森」。そしてもう1つは、市の南西部にあり、開湯300余年の歴史を誇る春日温泉周辺の「春日の森」平尾の森には3路線、春日の森には4路線の計7路線のウォーキングロードが整備されている。

森林セラピーソサエティホームページより


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