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【X=i の思い出】><。

【1】
高校時代
特別進学クラスにいた。
理系志望

僕が通っていたのは
全校生徒数2000名クラスの大きな高校だった。

大学進学に力を入れ始めた頃で
試験成績の順位をトップからビリまで
廊下に貼りだし
成績順でクラスが変わり
成績順で座席が並べられ
一定期間ごとにクラス生徒を入れ替える
当時受験戦争の典型のような環境だった。

全然大した話ではないのですが
僕にとっては大きな人生の分岐点となった
思い出をひさびさに書こうと思う。


【2】
同じ数学のクラスに
全国で数学模擬試験1位の友人がいた。
将来は獣医になりたいと言っていたMくん。

なぜ1位とわかるかといえば
全国模試がいつも100点だった
僕の記憶ではあるが
どんな難しい数学の試験でも
いつも100点だった。
偏差値は常に75~80

彼は休み時間でも
数学の問題集をいつも解いていて
とにかく数学が好きだった

詰め込み記憶頼みで
テストの点数を稼いでいた僕は
高校2年の夏頃から
難易度が上がる受験問題に限界を感じ始め

高校時代というか
真剣勝負の競争を意識した
人生で初めて

こいつにはどれだけ努力しても敵わないな

と悔しかったが心から認めた天才だった。


【3】
忘れもしない
ある日数学の授業で

X²+X+1=0

「これの回答がわかるもの」
とK先生が約30名の生徒に向かって問い
29名 誰も答えられなかった。

Mは高校2年の数学の授業内容をとうに終え
授業時間中にも関わらず大学受験の問題集
いわゆる赤本の問題をやっていた

ほかの勉強をしていても黙認される

当時16-17の僕にとっては
特別な存在は特例が許されるもんなんだなと
世の中をまた一つ知ったような気がしていた。

K先生が
大学受験問題集をやっていたMに声をかけ
「M やってるとこ悪いな 黒板の問題の答え教えてやってくれ」

X²+X+1=0

「X=ⅰです」

「問題解いてるとこ悪かったな ありがとう」

虚数という i²=-1と
当時半年くらい前に習った公式で大した難問でもないが
僕はこの出来事が強く記憶に残っている

この日
理系の大学を目指すことから
文系の大学に転向することを決意することになったからだ。

約2年やってきた理系の進路をリセットし
高校1年の範囲からやり直しを決意した。

「この学校で高校2年で理系から文系に転向して
成功した者は今までひとりもいない」と
担任や周囲から強く反対された。

【4】
どうでもいい昔話だが
このことを強烈に思い出すきっかけが昨日あった

2024年5月24日

いつぶりか忘れるくらいひさびさだったが
「りゅーに会いたいなー」
数学の天才Mから電話がかかってきた

獣医として開業していた。

コロナ禍で
これまでやってきた事業や活動
仕事などのほとんどを失い
多くのことをまた1から始めなければならない
私にとって

あの頃からの夢を叶え
獣医として開業までしているMが
うらやましかった。


彼のような天才と違い
積み上げたものを崩して
また1から積み直していく

そんなことをうんざりするほど
繰り返して生きてきた
私のような凡人は
また1からできることをやっていこう

そんな思いから
こんな文章を書いて

また投稿を始めようと思いました。

今の僕は
かつてある世界で
世界一の大富豪で
かわいいお姫様から求婚をしていただいた
あの頃のフィクサーとは
ほど遠いところにいますが

一歩一歩
また歩んでいきたいです。







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