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高須くんの謎

どうも、隠れん坊将軍です。

それは冗談でして肝数値高男でございます。
俺が小学生だったのはもう20年も前の話なんですけれども、自分も含めて変な奴らしかいない学校だったな。一体あれは何だったのか?神様はおかしい奴らを同じ地域にギュッと集めたのだと、今になってはそう思うのです。
俺のテキストでしょっちゅう登場する天然人間のつくもひふみくんも同じ小学校でしたが、もう1人面白い男がいます。今日はそんな彼の話でも書いていこうと思います。

彼の名前は「ロビンソン」。めちゃくちゃ強烈な人間です。説明だけで3000文字行きそうなのでほんの少しだけ紹介させていただきますと、基本的には俺やつくもひふみくんと同じで友達がたくさんいるわけでもない、女の子人気も高いわけではない、それなりに湿り気を感じる、いわゆる“ナメクジ系男子”なんですけれども、同じくナメクジ系の俺と彼はやはり一緒に遊ぶことが多かったのです。

はじめて彼の家に遊びに行った時の話です。彼の部屋に入ると小さいテーブルの上に「アートなのかな?」って思うくらいのカセットテープの山が。
20年前といえば MD 全盛期の時代だったのですでにカセットテープは珍しいものだったのもあり、俺はそのカセットテープの山がとにかく気になり「これ、なんの音が入っているの?」と聞くも、彼は「いや、それは気にしなくていいんだ。」としか言いません。
「いや、これで何か聞こうよ。」と、カセットテープをひとつ手に取り、彼の部屋のコンポに入れようとすると、彼が全力で静止しに来て、俺の手からカセットテープを取りあげ再度テーブルの上のカセットテープの山に戻すのでした。

そんなことされると余計に気になってしまうのが人間です。
その後も何度かカセットテープを手に取るとすぐに彼が飛んできて俺の手からカセットテープを取り上げるのです。繰り返すほど気になって気になって仕方ない。

翌る日、当時実家にあったカセットテープ用のウォークマンをポケットに忍ばせてロビンソンの家に行きました。彼がトイレに行った隙にカセットテープの山の中の、目立たなさそうな場所にあるカセットテープをひとつ取りポケットの中へ。
ロビンソンがトイレから戻ってきて数分間ゲームなどして過ごし、少し経過してから自然な流れで「ロビンソン、俺めっちゃ腹痛いんんだ。ウンコしてきてもいいかな?」と言い、彼の家のトイレを借ります。
トイレに入り鍵を閉め、先ほど部屋から持ってきたカセットテープを持参したウォークマンに入れて再生。片耳イヤホンを耳に突っ込み、イヤホンから聞こえてくる音に集中。
「サー」という音がしばらく聴こえ「あれ?これって何も録音されていないテープなのかな?」と思った次の瞬間、音が聞こえて来ました。

それはロビンソンの声でした。「どうも〜!みなさん、こんにちわ!今日は0月0日ですが、なんと今、お父さんが寝ています!いびきをかいています!それでは、お父さんのいびきを聞いてもらいましょうか!」という声の後に、足音やドアを開ける音。その後にお父さんのいびきらしき音が「グーグー」と収録されているではないですか。
いびきの合間にロビンソンが「クックック・・・」と笑っている声も聞こえます。
しかもそれが永遠に続きます。どれくらいやったか覚えていませんが、その後しばらく早送りしたんですけれども、ずーっと“いびき”と「クックック・・・」という笑い声だけ。
え?なんですか?このテープ?あいつは何をしたいのでしょうか?

その後彼の部屋に戻り、テープを見せて「ゴメン、これ聴いちゃった。」と彼に正直に伝えると、ロビンソンは一瞬驚いた顔をしたんですけれども、すぐさまニヤリと笑い「面白かったでしょ・・・?」と言って来たのでした。ロビンソン、20年越しに言うけれども、あれ全然面白くなかったわ。というか意味がわからなかった。ごめんね。

そんなカセットテープ事件から1年後。彼と同じ中学校に上がり、相変わらず彼の家に遊びに行っていたんですけれども、いつものように彼の部屋で漫画を読んで過ごしていると「肝数値くんの好きな歌手は誰かな?」と聞いてくるではないですか。
当時の俺はスターダスト☆レビューの生ライブを観た後で彼らに夢中な頃なので「知らないと思うし、歌手ってよりはバンドなんだけれども・・・スターダスト☆レビューってバンドが好きだよ。」と伝えると、彼が「あースターダスト☆レビューね。良いバンドだよね。」と言うのです。
いやいや、当時は Spotify とかがない時代。こんな田舎の中学生がスタレビなんか知っているわけありません。「いや、絶対に知らないでしょう。」というと、彼はまたニッコリ微笑んで「知っているよ。」と言います。「じゃあ、どんな曲のバンド?」と聞くと彼はニッコリ笑ったまま、オーディオの棚の無数の CD をゴソゴソして「これかな。」と手に取って持って来た CD が、なんと「会えないよ」の 8cm シングルでした。

「え?“会えないよ“じゃん!なんでこの CD 持っているの!?」と彼に聞くと、ニッコリ笑って「ちょっとね・・・」としか答えてくれません。それ以上何も語ってくれないのです。
そんな不思議人間のロビンソンくんなんですけれども、中学卒業後はしばらく会っていなかったんですが、2017年のある日にバッタリ再会したのを機に、年に数回また遊ぶようになったのはいいんですけれども、相変わらず不思議人間でございます。

18歳の頃に地元を飛び出て東京で暮らし始めたけれども、昨年「東京は怖い」という名言を残し地元に戻ってきたでお馴染みのつくもひふみくんと久しぶりに会うってなった時に、彼と久しぶりに会うのに2人きりってのは何だか照れるので、間にロビンソンを入れて、3人で我が家で一緒に宅飲みをしました。その際に3人のグループラインを結成。結成したもののしばらく更新がなかったのですが、先月ロビンソンがこんな投稿をしグループラインを久しぶりに更新してくれました。

ロビンソン:こんばんわ。27日に高須くんの送別会をするのでよかったらどうぞ。会費は1人1000円〜1500円です。18時30分くらいからスタートする予定です!

というラインが届きました。
これに対していちばん最初に返信したのが俺でした。
その内容は

肝数値高男:こんばんわ。高須くんやめるんだね・・・知らなかった。27日は家族の予定があるので参加できないです、ごめんなさい!

です。
どうですか、小学校の同級生なのに、なんだか大人くさいやりとりになってしまいましたね。
そして続け様に俺はこういう返信をしたのですが、この返信からドラマが広がりますよ。
その返信がコレでございます。

肝数値高男:ところで、高須くんってどなた?

どうですか。ビックリでしょう。
高須くんという人物の送別会に誘われたのに、俺はその“高須くん”を知らないのです。
ありえない話でございます。
いやいや、まず最初にロビンソンから知らない人物の送別会に誘われた俺がいちばんビックリしているんですけれどね。

それに続いてつくもひふみくんが返信をしたのでした。

つくもひふみ:高須くんおめでとう!行けないですが門出を応援しています!

なるほど、O型らしいスマートな返信だ。
そうか、そうか。すべてがわかりました。
というのも、俺たち3人は同じ中学校だったんですけれども、高校から彼らはそのまま地元の高校に進んだんですけれども、俺はと言いますと同じ中学校の同級生たちに「臭くてキモいからどっかに行け!」と言われた関係で電車乗って隣の町の高校に進んだんですよね・・・。

つまり高須くんってのは、2人と同じ高校の同級生か後輩か、そういう人なんでしょう。仕事の関係で春から遠くに行ってしまうので、一度飲みに行きましょうかと。
で、俺だけ学校が違っていて面識はないんだけれども、とりあえず来いやってことだったのかな。そうか・・・せっかく誘ってくれたのに本当に申し訳なかった。家族の用事がなかったら絶対に行っていたんですけれどね。

それから数日後に、つくもひふみくんと個別でラインのやり取りをすることがあったので、こんなやりとりを送ってみました。

肝数値高男:ロビンソンが言っていた“高須くん”って知っている人?地元の人?

それに対してのつくもひふみくんの回答は

つくもひふみ:あ、まったく知らん人だよw

で、ございました。
・・・では、俺たちは何故誘われたのでしょうか?
謎はさらに深まったのでした。
おしまい。


という話を書いたところで文字数が3620文字になってしまいましたので、今日はこの辺でオヒラキにしたいと思います。今日もここまで読んでくださった方、どうもありがとうございました。この文章を読んで、僕のことをすごくキモいと思ってもらえたら幸いです。明日のコンテンツでもキモいと思ってください。よろしくお願いします。

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