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最近読んだマンガ紹介。「この掛け合いがなんかいい感じでスゴイ!大賞2021 2月」

 初投稿。
 読んだマンガを月ごとにまとめてレビュー風に紹介してみようかなと思い立ってから約30日が経過してしまった。まだ2月60日。間に合う。
 しかし、60日も経つとそれなりの数になっていて全てを紹介するのは手に余るため、とりわけ印象に残っているものを紹介する。タイトルに深い意味はありません。

・ニジとクロ

 作者は「かんなぎ」の武梨えり。3巻で完結した。
 主人公クロエと謎生物ニジが生活を共にするなかでお互いに成長(進化)を遂げていく物語。
 ニジが人間に近い高度な知性や感性を有しているため、読者が受ける印象としてはレアなペットを飼う苦楽というよりも、どちらかといえば子育ての方が近いかもしれない。
 ラストの評価は割れている。そもそもニジというキャラクター自体、不気味の谷に片足つっこんでなくもないし(外見でなく内面的に)、物語の結び方は飛躍がすぎて目をむりやり背けさせられたような感覚になる。
 が、それはそれとして彼女たちの掛け合いはクセになるし、少しずつ自分の世界を広げていくクロエの姿におっちゃんは涙を止められない。結末がどうあれ、僕にとって彼女たちの生活をのぞき見するのは心を癒す大切な時間でした。

・異剣戦記ヴェルンディオ

いわゆる「スローライフもの」に雰囲気は近いが、なろう系の有名作と比べると世界観は殺伐としている。
 今のところギャグ調進行だが、いつでも急転直下が可能な程度に設定や伏線が整えられている。少し不穏ではある。
 この作品もキャラクター達の掛け合いが心地よいタイプの作品なので、今後どの方向へ物語が転がってもついていく自信がある。

 前作「Helck」は未読。

・異世界失格

 「太宰転生もの」はジャンルとして確立するにはまだ小規模だが、それでも検索をかければ数作品はヒットする。ある程度太宰の年譜を知っておかないと楽しめない作品もある中で、この「異世界失格」は最大公約数的太宰像のキャラクター化が見事になされていて誰でも楽しめる。脇を固めるキャラクター陣も好印象。
 作中での太宰の心中相手は「さっちゃん」という女性。坂口安吾によると、太宰は心中相手の山崎富栄のことを「スタコラサッちゃん」と呼んでいたらしいのでおそらく史実の通りである。どうでもよいですね。


・結婚するって本当ですか?

 作者は神のみで有名な若木民喜。プロット自体は偽カップル系のラブコメでよく見るものだが、そこから一歩踏み込んで結婚という責任の伴う関係を偽装する。といっても今のとこは届出を提出するわけでもないし、さほど緊張感はないが。
 陰キャの特性を生かした完璧なラブコメだが、それゆえに関係の進展が遅いので、過剰な糖分で手っ取り早く脳を破壊したい読者は物足りなさを覚えるかもしれない。
 しかしこれが陰キャラブコメの醍醐味なんだよなぁともいえる。なに、じっくり楽しめていいじゃないですか。
 掛け合いという点ではどうかというと、この作品では沈黙すら掛け合いの一部として描かれていて、正直どう評価していいか分からない。が、なんかいい感じなので花丸を献上する。「陰キャの偽装結婚」というワードに何かしらの波動を感じたなら今すぐ読んだ方がいい。

 同作者の美少女ゲームカンブリア紀を描いた「16bitセンセーション」もおすすめ。


・潮が舞い子が舞い

 クラス規模での群像劇。初読で全員の顔と名前を一致させるのは難しい。
 ストーリーに大きな山や谷はないが、高校生特有の空気感や自意識の発露、独特の感受性が明けっ広げに描かれる。キャラクターの関係性を把握できるようになってくると面白さがさらに加速する。今のところは毒もなく爽快だ。
 こういうのが読みたかったんだよ!!!

 

・最後に

 僕のようなライトなマンガファンであれば、マンガ大賞ノミネート作品を順繰りに読んでいくぐらいが質的にも量的にも調度いいのだが、あえて被らないように紹介してみた(挙げた作品のうち、いくつかは一次選考リストに載っていた)。
 「葬送のフリーレン」と「カラオケ行こ!」はあまりに面白かったので書こうかなとも思ったが、マンガ大賞ノミネート作品はamazonの評価数も軒並み1000件を超えていて今さら紹介したところで、という話でもある。念のためにリンク貼っておく。おもしろいよ。



 

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