情熱と空虚な骨
断ち切れるような筋に、空虚な骨が見透かれていて、凍えるような情熱の中にずっといたような、そんな気がするまどろみを。
猫がスヤスヤと眠る頃に俺はヤスヤスと正座している。抜き取られた背骨を取り戻すかのように眠る今晩を一生空けてほしくないと願うその夜を。
何もかもが喉を通り、腹に溜まるそんな感じのイメージを私は今日も脳裏に宿す。
せめてもの慰めに画面を無意味に見続ける。山々の連なりも、川の流れも映らない視点で。
七色の田んぼが瞼に浮かんでは消え、頭の皺が増えることを実感し、果てしのない天井に近づき続ける無限級数のように。
恨みをぶつけられるほどの元気のないそんな日々と一瞬を爆発させる閃光弾、水面を足速に走り去るあの狐の勇姿を。
僕はまだ知らない。
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