きれいなおんなのひと
昔から、きれいな女の人が好きだ。
学生の頃。
サバサバしているが、色白で目のぱっちりとしたAちゃんにあった。めちゃくちゃかわいいので、ふざけて「姫!」とか「おじょう!」と呼んでいた。Aちゃんがどれくらいかわいいかというと、学校で大型テーマパークへ行った時に、同じようにどこからか来ていた中学生男子に「一緒に写真を撮らせてください」と、数回声を掛けられるくらい華やかな顔立ちなのだ。
Aちゃんすごい! と思いつつ、きゃあきゃあ騒いでいたら「なつくまさん、おかしな人」だと思われたようだった。
ちなみに私の恋愛対象は男の人だ。女の人と付き合ったことも、告白されたこともしたこともない。あ、でも旅行先で、女友だちに誘われたことはあったけれど、それは性的な好奇心で誘ってきたんだろうから、愛とか恋じゃないもんなあ。
でも。
きれいな顔立ちで性格のいい女性は、愛しいし、とくべつな存在になる。それは恋だの愛だのとは違う次元の、べたつきのないさらりとした世界で、ちょっぴり絵画的なものなのかもしれない。一般的にはあこがれ、というのだろうか。
とはいえ、顔立ちがきれいな人なんて世の中にたくさんいる。だからもしかしたら、私のフラグがたつのは顔立ちのきれいさではないのかもしれない。共通点は何だろうか。
思慮深さと、明るく振る舞っているけれど実は底抜けの暗さがあるところ。人への配慮ができて悪口がきらいなところ。そういう人間性も加味されて、「きれい」が増幅されていくのかな。
すてきだなと思う存在の人が数人いると、「おお、あの人もがんばっているから、私もやりますか!」となりやすい単純な性格だ。
だからこれからも、そういう人と知り合いになれたらいいな。
そして今はもう会わなくなった、きれいな女の人たちはみんなしあわせな人生を歩んでいることを祈っている。
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