「シーザーサラダ、単品で」

私が一番好きなcoco壱のメニューはシーザーサラダである。
いや、飲食チェーン店のサラダの中で一番好きかもしれない。

まあ、ロイヤルホストと比べたら正直劣る、そこは嘘つきません。何と言ったって、ロイヤルホストのサラダは異常に新鮮なため、盛り付けられた野菜が、魚の活け造りのようにピクピク動いている程である。

いや、やっぱりcoco壱のシーザーサラダの方が好きだ。野菜がピクピク動いてるのはキショ過ぎるよ。

coco壱のシーザーサラダの魅力は星の数ほどあるが、まずはクルトンについて語ろう。当サラダに入っているクルトンは基本的に何の変哲もないものだが、時折異常に塩辛い個体が入っている。クルトンじゃなくて、もはや塩キューブだろと思うほどである。このクルトン一つでサラダの半分は余裕で食べ進めることが出来る。

次に語るのはシーザーサラダの主役、シーザードレッシングについてである。特徴は何といっても、とにかく味が濃いことである。というかしょっぱい。しょぺしょぺしょっぺ~~~~の。

それらを、存在感の全くない野菜としっかり混ぜて一気に掻き込めば、塩分過多によって心臓が跳ね上がり、不思議な高揚に包まれる。これはおそらく恋である。

サラダを食べ終わる頃に丁度カレーが提供されるのだが、シーザーサラダで完全に満足しているため、目の前にカレーがあることにいつも怒りを覚えてしまう。

そう、本当はシーザーサラダだけでいいのだ。

しかし、coco壱でサラダだけ頼むのは完全な異常者である。私が通っている神戸の店舗は外国人の方も沢山働いている。私がシーザーサラダを単品で頼むことで、諸外国に「日本人はシーザーサラダ単品で興奮するHENTAIなんだ」と思われてしまえば、外交問題にも発展しかねない。

でも、諦めたくない。
諦めたくないんです。

もしも、
もしもなんですけど、
貴方が隣に座って私の手を握ってくれたら、勇気を出せるかもしれない。

怯えて、掠れて、震えているけど、
変わりたいという願いを芯に宿した確かな声で、

「シーザーサラダ、単品で」

そう注文できるはずなんだ。


あと、注文を終えたら、coco壱の店内に絶対置いてある漫画取ってきてもらっていいですか。あの漫画読みたいんだけど、取りに行くの恥ずかしいから。




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