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写真エッセイ

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たゆたうようにつらつらと
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#夏の思い出

夏汐に逢いたくて

夏になると海のにおいが恋しくなります。  潮が「朝」のもので、汐が「夕」のものだと先日知りました。なるほど、文字ってすごいなあ。  私は朝の海も、ゆうやけこやけな海も好きですが、遅い昼の海も好きなのです。でもこれって汐・・・ってコト!?  違いますよね、通常は1日2回の高潮と低潮があるそうなので。
 汐までもう少し待てば良かったですね。でもその前にタイムオーバー。遅い昼の海を散歩して、数回シャッターを押して、私は後ろ髪をひかれつつ帰路につくのでした。 Fantôm

荒野を夢見たことはありますか?

耕作地を大きくカーブした道の向こうには、 そこにはただただ「コウヤ」が広がっているようでした。それは西部劇で見るような広大にして荒涼とした空間ではありませんでしたが、荒野にして広野と呼ぶには十分に思えます。  どうやら昔は田畑だったのではあるまいか? と、私は独りごちました。タバコを吸うことはありませんが、タバコをふかしたい気分に襲われます。もちろん心の中でふかしただけで、肺には煙を入れないチキンです。  荒野を前にして味わう、この孤独感がたまらないのかもしれません。私は

記憶にあるはずが無い懐かしい風景を

あてもなくドライブする目的があるとするならば  それは、夏かしい風景を探しているからなのかもしれません。私の記憶にあるはずのない風景。それでも心にはある風景。  記憶にない風景とは、忘れているということではありません。いままで一度も経験したことが無いであろうということです。  それでも心にはあるのです。あの夏かしい懐かしい風景は。おそらく口伝を聞くことで、もしくは小説や映画を観ることで、あるいは前世や来世の記憶なのかもしれません。  兎に角、私は、それらの風景を探