見出し画像

琵琶への興味の変遷 その1 〜ライブハウスに舞い降りた琵琶姐さん〜

琵琶法師? なんかカッコいい

『平家物語』は学校教科書の収録作の中で、特に好きでもなかった。
むしろ辛気臭くて、キライな部類。

けれど、物語の伝承が、琵琶法師という特殊な人々によって行われてきたことには興味を持った。
なんかカッコいい…
RPGのパーティに一人いてもいいカンジ。
 
その琵琶法師が最後の一人になったというニュースを見かけたのは、もう30年前くらいだったろうか。
その頃の私は、ライブハウスで売れてないロックバンドを観ることにハマっていて、ギタリストを捕まえては
「バンド続けるよりも琵琶法師になった方がいい。日本の大切な文化が途絶えようとしてる。あなたの弦使いの技術が国の文化を救えるんだよ。これこそロックじゃない?」
と説いていた。
「オレまだ坊さんにはなりたくないス」
「よくわかんないけど、まずは琵琶を弾けるようになれば、法師は後からなんとでもなる」
「琵琶って高そうっスよね」
「琵琶法師になりたいって真剣に言えば、タダで貸してくれるんじゃない? たぶん弾く人よりも琵琶の方が余ってるはずだもん(テキトー)」
みたいな会話をライブハウスでしていた。
いい迷惑だったと思うが、バンドマンの一部では琵琶姐さんと呼ばれて面白がられていたらしい。

その後、最後の琵琶法師は亡くなって、鎌倉時代(?)から続いてきた琵琶法師の文化は途絶えたそうだ。
国がしかるべき補助金を出して支えれば、なり手もいただろうにと思うけど、これだけ気軽な娯楽が山ほどある時代、琵琶法師の話を聴きたい人がそれほどいるとも思えない。
需要がないからといって切り捨てていい理由にはならないけど、しかたがなかったのかなとも思うのであった。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?