最低の捨て台詞を吐きたい

一週間の予定が礼儀正しく整列している。時間が表みたいになっていて、一日と、次の一日の同じ時間が同じ横軸になっている。時間は表ではないと思う。時間が表だったら、時間を守れると思う。生活リズムが、グルーヴを産み続けている。規則正しく生活できれば幸せだろうか。苦しくなってくる。時間という概念が苦手すぎる。認知がおかしいと思う。24分は30分だし27分も30分だし10分は15分なのに16分も15分で、22分は20分で、23分は23分。35分がなんで数字の「7」なのかはあまりピンとこない。それで時間を守れと言われても困る。人は変えられない。人生は思ったようにはならない。突然、頭の中で着信音が鳴る。怖い。さっき開いたカレンダーアプリをまた開いたら、今を表す直線が3ミリ進んだ。人生への批判はいらない。最低の捨て台詞を吐きたいと思う。残酷な言葉を並べてクイズみたい、私は正解しないといけない。私には名前があるし、思考と感情を持った人間だ。立ち上がって動き出す。手を振って、少し歩いて振り返るともうこっちは見ていないかもしれない。構わない。目が痛い。日中外を眺めすぎた。締切を知っていて体が動かないのはいい加減病気だと気付いている。怠惰ではない。何かが終わった音がして、それから冬眠していたクマがのそのそと顔を出し、小鳥が飛び始め花が咲くような空気を感じとる。動き出す。冬が終わる。永遠の冬を夢見ていた。去年の春ほど感傷的じゃない自分に気付く。