猛暑、忘却、小さな四角

季節のせいにした切なさは、いつしか猛暑にかき消された。暑すぎて止まった時計。何が起きるか分からずに、実感もなく、海の中のゴミのように彷徨っていた。慰められて知る現実。分からないふりをしていた。なんとなく日付に丸をつけるけど、思い出せない。本当は、全てのことを覚えていたいはずだった。紙の上に小さな四角があるだけだ。