日没

空想と本当が交差して、いよいよ季節が変わろうとした。見ないふりをしたメッセージは消されていた。消せるんだ。新月はどこを探しても見つからなくて、見えない場所に存在するだけだ。眩しすぎた半月前の満月が遠い昔のようだった。近くにいないとどこにもいない気がして嫌だった。絆創膏を剥がした。痛かった。陽が沈む頃、帰ろうか。そう言って。大人になったのに別れ際と夕暮れに慣れないままでいた。