環状線

家の近くに環状線が通っている
こんな夜中にだれかがどこかから
どこか遠くへ移動している

どこから来て、どこへ行ってしまうのだろう
ここに立っているわたしは途方もなくちっぽけで
その世界からは分断されているようだ
それは星空を見上げる感覚にも似ていた

ぼんやりとそんなことを
一瞬考えるともなく考えた時
小さい頃に見た不安な夢みたいに
漠然と悲しくなってしまうのだった