見出し画像

馬鹿でかい階段だらけの建造物

ふわふわと眠っていた。淡い夢の中にいて、暖かい水たまりみたいだった。乾いていた土もふかふかになった。ふかふかの土の中にはまだ鋭い刀が埋まっていると知っていた。それについて、ついさっきまで考えていたのだから。それから、悲しみの中からしか何も生まれないという妄想に囚われていたことについて考えた。恐怖と対峙した。アセロラサワーを飲み干して、時間を気にして彷徨った。水と空気の境目はわずかな風に揺れていて嘘の光を瞬かせていた。忘れてしまいたくはないけど、目で見る方がずっといい。もう離れたくないと言う。悲しみは、無駄にバカでかい灰色の建造物のようだ。夢にだけ出てくる階段だらけの暗い建物を思い出した。ぽかぽかになって浮かんでいる。別にそれでもいい気がした。