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架空の日記6「飲み会」

気乗りのしない飲み会に行ってみることにした。タロットカードはソードのエースだった。何かが始まる。だけど良い予感はしなかった。村上龍の短編みたいな、空虚な、意味のない、無味乾燥な時間が流れた。人がいるのにいないみたい。気分が悪いから、何度も何度もトイレに行った。やけに馴れ馴れしい張り紙の文章を覚えた。会話の内容は忘れた。どうしてここにいるんだろう。いつもよりたくさんお酒を飲んだのに、ちっとも酔っ払えなかった。自分の発する一言一言に嫌悪感を覚えた。こういう時必ず頭の中で流している曲がある。The Doors のPeople Are Strange。帰りの電車でたくさん詩を書いた。仕方なかった。へんなパンを買って食べた。おいしくなかった。