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靴のオーダーは苦手

オーダーという言葉に昔から弱い。
子どもの頃からずっと母が縫ってくれた服を着ていて、今も結構、衣類はオーダーしていたりする。
オーダーと言っても、基本の型が決まっていてサイズと色柄だけ選ぶ、いわゆるセミオーダーというやつ。
もちろん予算の都合でもあるが、私の場合、一から全て自分で考えるほどの気合いとセンスがないので、ある程度形が決まっているセミオーダーがちょうどいい。

自分の足が幅狭だとわかったあとは、いわゆる幅狭靴のブランドでも何足もオーダーした。
幅狭靴は受注生産が基本。多くのブランドさんが実際に商品を試し履きできる機会を作ってくれている。私も色々履き比べながらサイズや木型、デザインを選び、片側だけ中足骨パッドを入れたり外反母趾に合わせて幅を少し出してもらったりして、自分だけの一足を作ってきた。
が、そうして作った靴たちがすべて完璧にフィットしたかと言うと、全然そんなことはなく。
結局ほとんどの靴が、あまり履けなかったのだった。

あんなに色々手間暇かけて作ったのに、なんでそんな残念なことになってしまったのか?
私なりに理由を考えてみた。

1.試着した靴と履き心地が違う
オーダー会で履くのは、あくまで試着用の靴。
色んな人にたくさん履かれているから革も馴染んでいたりする。実際私のものになる靴は、まだ誰にも履かれてないまっさらの靴なので、当然履き心地が違う。これが裏目に出てあれっ?となることがあった。

2.私の色柄のセンスがいまいち
オーダー靴は、カラーや革の種類を自由に選べるのが魅力なんだけど、私の場合それを生かしきるセンスが足りなかった。
素直に黒のスムース革とかで作っておけばいいのに、手持ちの服やバッグとの組合せも考えず、つい「この革の色素敵!」というだけで選んでしまったり。
小さな革見本から出来上がりのイメージを想像しきれず、実物が思ったのと違っていたり。
センスというか場数かもしれないけど、目の前にない靴の完成形を想像する力が足りなかった。

3.届くまでに時間がかかる
受注生産だから当然なんだけど、オーダー靴は届くまでに大体2ヶ月以上はかかる。2ヶ月も経つと季節はめぐるし私の気分も変わる。足の状態も変わったりするので、足入れした時の感覚が違い、その違和感がずっと尾を引くこともあった。

4.セミオーダーでも妥協は必要
色柄や形をさまざま選べるオーダー靴だけど、それでも妥協はせざるを得ない現実がある。
履きたいデザインでも木型が合わなかったり、価格と品質のバランスにモヤモヤしたり。
既製品とは違うところで、あきらめとか限界を感じることがあった。

…そんな紆余曲折を経た今、靴に限っては、できるだけ現品買いしたい気持ちである。
幸い、オーダーじゃないとどうにもならないほどの幅狭ではないし、私ではオーダーの特長を生かしきれないな…と思うので。

でも、フルオーダーの靴だったらほんとのシンデレラフィットになるんじゃない??
という気持ちもちょっとあるのだ。
デザインも履き心地も最高な靴なら、いくら払っても惜しくない…💴


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