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カナデとウタ10

マクドナルドの時計を見たウタは、びっくりして言った。

「てゆーか!授業はじまるじゃん!!」

「ほんとだ!急ごう!」カナデも慌てて立ち上がる

 



2人で大学の中を走る

ウタは、やっぱりカナデといると居心地がいいな、とふと思った。

ある日の授業おわり

カナデがこんなことを言い出した

「ウタ、カラオケ行こう!」 

いいけど

カナデと2人でカラオケに行くのは初めてだ

「ウタの美声もききたいし」

美声、

そういわれると嬉しくてニヤニヤしてしまう

ウタは以外とチョロいのかもしれない

ウタがカナデに美声を、聞かせるのは小学校以来だ。

2人でカラオケに向かって歩く。

「ウタ、ほんと歌うまいよね」

「俺、憧れてたもん、実は。あんなきれいな声が出るなら、女の子になりたかった」

そういうと、カナデは笑った

「小学生のころでしょー」

ウタも笑った。

けど、今でも思い出せる。

カナデと一緒に歌うのは、とても楽しかった。

それに、小学生の頃から、ウタにとって、歌うことは大切なものだった。

カラオケに着いた。

「あー、なんか緊張するなぁ」とウタ

「なんでー?」とカナデ

だって、美声なんてハードルあげないでよ、、

それに、人前で歌うのは軽音学部以来だ。

そう思いながら、久しぶりのカラオケだから楽しい気持ちもある

イントロが流れ始めた

安室奈美恵のcan you celebrate?

ウタの一番好きな歌。

この歌を歌っていると、お姫様みたいな気分になる。ドレスを着て、たくさんの観客の前で歌っているような気分になる。

Can you celebrate〜

Can you kiss me tonight〜?

声を出すと、すぐに楽しくなってきた。

ウタの声はまっすぐのびて、空気に溶けていった。

歌が終わる。

カナデが、手を叩いて拍手をした。

「うまい!」

えへっ

ウタは笑った。

次はカナデの番だ。

radwimps

の、前前前世 

あー、知ってる

ウタは思った。 

有名なやつだ。

きみのぜんぜんぜんせからぼくは

きみをさがしはじめたよー

カナデの歌は、、、


お世辞にも上手とはいえなかった

棒読みだし、声も小さいし、歌というよりは、

「朗読?」

ウタが考えていると、カナデは、ん?というようにこっちを見た。

ウタはなんでもない、と笑った。










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