大学で心理検査を受けた話(2)
(1)から続く
私は渡された封筒をウキウキで開封した。
数字に執着しがちな私は、あえて数値の結果を見る前に准教授からのコメントを見ることにした。
それによると、私は「目で見たもの」よりも「耳で聞いたもの」を捉えることの方がより得意であるとのことだった。
そして数値の方を見ると、グラフがやたらガクガクしているのがわかった。
下位検査項目はそれぞれ19点満点で評価される。私の得点は実にバラエティ豊かなものだった。単語は満点、数唱は18点と抜群であった。ところが完成は8点、記号は5点。
このばらつきはコメントにも書いてあった。
後になって他の人が公開しているWAISの結果を参照しても、私ほどばらつきのある人間は他にいないようだった。それくらい私の能力は偏っているのだろう。
下位検査項目とIQの間には中間項目が存在し、それぞれVC、PO、WM、PSというのだが(何の頭文字か気になった人は検索)、私はVC≒WM>PO>PSという結果だった。特にPSがかなり低い。
総合的には言語性IQがなかなかない数値だったが、一方でPSの大コケにより動作性IQは言語性のそれより31も引き離されていた。実生活での感覚とはかなり違っていたので、これは非常にその後の人生の参考になっている。
ちなみに、IQはウェクスラー式検査だと平均値が100、標準偏差が15となっている。小学校教員だった私は、下は50台、上は140台まで見たことがある。IQ140を超えるともう魔境である。でもそんな子もクラスに自然に溶け込んでいる場合が結構あるから不思議なものだ。
私はIQ130でも相当賢い印象を受けた。だが、それは事前に数値を見てしまったからであって(予想はしていたものの)、その子の立ち振る舞いや言動などをみてそのくらいだと判断したわけではない。逆にIQ100以下でも鋭い洞察力を持つ子はいる。なかなかIQだけで判断することはできない。
補足だが、IQを自分のアイデンティティの大きな部分に据えるのはやめた方がいいということを述べて、締め括っておきたい。これは本当にろくなことがない。
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