見出し画像

「夏と秋」Webマガジン 第14号

【はじめに】
こんにちは、「夏と秋」です。3か月ぶりの公開となります。
Webマガジン第14号は、歌人の瀬戸さやかさんと秋月祐一の短歌推敲セッション、読者投稿欄でぐでぐを5本立て。短歌の推敲の過程をじっくりとご覧ください。

* * *

今回のマガジンは、
【俳句「ぬらりひよん」/秋月祐一】
【読者投稿欄でぐでぐ(13)/瀬戸さやか】
【読者投稿欄でぐでぐ(14)/瀬戸さやか】
【読者投稿欄でぐでぐ(15)/瀬戸さやか】
【読者投稿欄でぐでぐ(16)/瀬戸さやか】
【読者投稿欄でぐでぐ(17)/瀬戸さやか】
【カピバラ温泉日記/秋月祐一】
という内容でお送りいたします。

* * *

【俳句】

  ぬらりひよん  秋月祐一

#立春大吉 #すつぴんむく のわたしです

飯蛸のまだ明るいと言つて飲む

子づくりの話題ちらりと山椒の芽

物種のチョー気持ちいい(生えちやう)

決意ぐらりと黄蝶はらりひらりと

Wi-Fiの届かぬあたり鳥帰る

ぬらりひよんまたぬらりひよん春深し

* * *

【読書投稿欄でぐでぐ(13)】

2019/12/16〜2019/12/18

*投稿者の瀬戸さやかさんと、秋月祐一のメールのやりとりを紹介させていただきます。短歌の推敲がどのようにして行われているのか、その様子をご覧ください。

────────────
瀬戸さやかさん→秋月祐一

秋月さん、こんにちは。ご無沙汰しています。
でぐでぐへの投稿です。
よろしくお願いします。

【原作】
暮れかけの夕暮れグレなくてよかったシングルマザーもうすぐ卒業

────────────
秋月祐一→瀬戸さやかさん

ご投稿ありがとうございます。

〉暮れかけの夕暮れグレなくてよかったシングルマザーもうすぐ卒業

「夕暮れグレなくてよかった」は破調ですが、そこに歌の面白さがあると思うので、そのまま活かす方向で考えてみますね。

全体的に助詞が少ないので、どこか補えるところがないだろうか、という気がしました。

────────────
瀬戸さやかさん→秋月祐一

【改作案1】
シングルマザーももうすぐ卒業

を考えたのですが、「も」が続いちゃうなと思いました。どうでしょうか?

────────────
秋月祐一→瀬戸さやかさん

暮れかけの夕暮れグレなくてよかったシングルマザーももうすぐ卒業

暮れかけの夕暮れグレなくてよかったシングルマザーはもうすぐ卒業

暮れかけの夕暮れグレなくてよかったシングルマザーをもうすぐ卒業

可能性がありそうなのはこのへんでしょうか。

────────────
瀬戸さやかさん→秋月祐一
自分で最初に思いついた「も」が結局しっくりくるような気がします。

暮れかけの夕暮れグレなくてよかったシングルマザーももうすぐ卒業

────────────
秋月祐一→瀬戸さやかさん

では、このかたちを最終稿とさせていただきます。

【最終稿】
暮れかけの夕暮れグレなくてよかったシングルマザーももうすぐ卒業/瀬戸さやか

上から読んでいくと、ことばが飛びはねて、内容が次々シフトしながら、絶妙につながってゆく。そんな作品だと思いました。この夕暮れはとても美しいですね。面白い作品をありがとうございました。


【読書投稿欄でぐでぐ(14)】

2019/12/29〜2019/12/29

────────────
瀬戸さやかさん→秋月祐一

【原作】
一日が積み重なって一年にGoogleカレンダーをめくりゆく

投稿のような、挨拶のような…

今年はお世話になりました。来年もよろしくお願いします。

────────────
秋月祐一→瀬戸さやかさん

瀬戸さん、今年はたいへんお世話になりました。来年もよろしくお願いいたします。

〉一日が積み重なって一年にGoogleカレンダーをめくりゆく

野暮を承知で、お歌についてコメントすれば、下の句のもたつきが気になりますね。

ぼくだったら、「Googleカレン/ダーを○○○○」みたいな句またがりにすると思います。

────────────
瀬戸さやかさん→秋月祐一

4文字だと、「swipe」(スワイプ)が思い浮かびますが、安易すぎる気もします。

【改作案1】
一日が積み重なって一年にGoogleカレンダーをスワイプ

────────────
秋月祐一→瀬戸さやかさん

スワイプ。音の印象が、動作の実感を伴っていて、よいと思います。

────────────
瀬戸さやかさん→秋月祐一

それでは、これを最終稿に。

【最終稿】
一日が積み重なって一年にGoogleカレンダーをスワイプ/瀬戸さやか

どうもありがとうございました。


【読書投稿欄でぐでぐ(15)】

2020/01/07〜2020/01/08

────────────
瀬戸さやかさん→秋月祐一

新年のご挨拶が遅れました。
今年もよろしくお願いします。

今年初めての投稿、

【原作】
広告の裏にくせ字で丁寧に俳句の推敲父生きるなり

────────────
秋月祐一→瀬戸さやかさん

あけましておめでとうございます。今年もよろしくお願いいたします。

ご投稿ありがとうございます。

〉広告の裏にくせ字で丁寧に俳句の推敲父生きるなり

結句の「父生きるなり」が、いちばん言いたいことなんでしょうけど、ちょっと力み過ぎかと。

もしかしたら、「父」までの要素で、定型をゆったりと満たせば、「生きるなり」は言わなくても、その感じは伝わるのかも。

上の句では、「丁寧に」の説明っぽさが気になりました。たとえば「びっしりと」とか?

────────────
瀬戸さやかさん→秋月祐一

これではどうでしょうか。

【原作】
広告の裏にくせ字でびっしりと父の俳句の推敲続く

────────────
秋月祐一→瀬戸さやかさん

〉広告の裏にくせ字でびっしりと父の俳句の推敲続く

よいと思います!

韻律的にも無理がなくなり、俳句に没頭する「父」の生命力が伝わってきます。

画数の多い漢字がならぶので、「続く」はかなに開いてもよいと思うのですが?(=「続く」よりも「推敲」のほうに重心がある)

────────────
瀬戸さやかさん→秋月祐一

そうですね、「推敲続」のところが、画数の多い漢字が詰まってますね。

では、最終稿

【最終稿】
広告の裏にくせ字でびっしりと父の俳句の推敲つづく/瀬戸さやか

でお願いします。

────────────
秋月祐一→瀬戸さやかさん


的確なご改作、ありがとうございました。

「びっしりと」が韻律的なアクセントとなって、上の句と下の句をしっかりつないでいますね。


【読書投稿欄でぐでぐ(16)】

2020/01/14〜2020/01/16

────────────
瀬戸さやかさん→秋月祐一

投稿です。

【原作】
妻が押すカートを夫が引いているスーパーで見る夫婦のかたち

────────────
秋月祐一→瀬戸さやかさん

ご投稿ありがとうございます。

〉妻が押すカートを夫が引いているスーパーで見る夫婦のかたち

スーパーで見かけた、ほほえましい夫婦の姿を詠んだ歌ですね。
下の句が、ちょっと説明的かな、という気がします。

客観的な描写ではなく、妻(または夫)の立場で詠んでみる、とか?

感情の動きが見えてくるといいのですが。

────────────
瀬戸さやかさん→秋月祐一

改作です。

妻の立場(?)で

【改作案1】
君が引くカートをそっと押している連携プレーはうまくいってる

────────────
秋月祐一→瀬戸さやかさん

ご改作ありがとうございます。

〉君が引くカートをそっと押している連携プレーはうまくいってる

「連携プレーはうまくいってる」は、言いすぎではないでしょうか。

上の句だけでも、夫婦の仲のよさは、伝わると思います。

下の句は、スーパーでの買い物の情景であることを、なにか具体に寄せて、楽しげに詠んでみては?

────────────
瀬戸さやかさん→秋月祐一

改作です。

【改作案2】
君が引くカートをそっと押している鍋の具材を次々入れて

────────────
秋月祐一→瀬戸さやかさん

ご改作ありがとうございます。

〉君が引くカートをそっと押している鍋の具材を次々入れて

いい方向だと思います。

鍋はふたりで囲んで食べるもので、あたたかい食卓をイメージさせてくれます。

このかたちを最終稿としてもよいと思うのですが、ひとつ可能性を追求していただけないでしょうか?

それは「鍋の具材を」の7音分をつかって、食材を列挙することです(「次々と」までの11音つかってもよいかもしれません)

食材名をリズミカルに挙げて、読者に「ああ、鍋をつくるんだな」と想像してもらうかたちです。

よろしくお願いいたします。

────────────
瀬戸さやかさん→秋月祐一

【改作案3】
君が引くカートをそっと押してゆく豆腐にネギに春菊入れて

なんとなくですが、
押している→押してゆく
にしました。

────────────
秋月祐一→瀬戸さやかさん

ご改作ありがとうございます。

〉君が引くカートをそっと押してゆく豆腐にネギに春菊入れて

「押してゆく」は、動きが感じられて、よいと思います。

食材の並び、このへんは好みにもよりますが、

ネギに豆腐に春菊入れて

と2音、3音、4音の順はいかがでしょうか?
あと、助詞は「と」にする可能性は?

────────────
瀬戸さやかさん→秋月祐一

なるほど、2音、3音、4音にするとリズムがいいですね。
助詞は、「に」の方が、「あれもこれも」という感じが出るように思うのですが…


────────────
秋月祐一→瀬戸さやかさん

音の印象だと、「と」のほうが歯切れがよいような気がしますが、たしかに、「に」のほうが、今まさに選んでいる感がありますね。

〉君が引くカートをそっと押してゆく鍋の具材を次々入れて

〉君が引くカートをそっと押してゆくネギに豆腐に春菊入れて

最終的には、どちらがお好みでしょうか?


────────────
瀬戸さやかさん→秋月祐一

君が引くカートをそっと押してゆくネギに豆腐に春菊入れて

これを最終稿でいいでしょうか?

────────────
秋月祐一→瀬戸さやかさん

よいと思います。

【最終稿】
君が引くカートをそっと押してゆくネギに豆腐に春菊入れて/瀬戸さやか

カートの動きを介して、君について行きたいという思いが、ほのかに感じられ、ネギと豆腐と春菊が、つつましやかな湯豆腐の食卓を連想させて、すてきな相聞歌になったと思います。

的確なご改作をありがとうございました。


【読書投稿欄でぐでぐ(17)】

2020/02/02〜2020/02/04
────────────
瀬戸さやかさん→秋月祐一

でぐでぐに投稿です。

【原作】
君だけに褒められたくて筋肉は裏切らないけど愛はくれない

────────────
秋月祐一→瀬戸さやかさん

ご投稿ありがとうございます。

〉君だけに褒められたくて筋肉は裏切らないけど愛はくれない

すでに完成した歌と言えるかもしれません。

あえて言及するならば、上から下まで等質であるような気がするのです。

一首のなかに、落差のようなものがあってもいいのかも。ないものねだりかもしれませんが。

────────────
瀬戸さやかさん→秋月祐一

難しいですね…

落差を作れるとしたら、上の句をなんとかして作れるのかなと思いますが…

────────────
秋月祐一→瀬戸さやかさん

ぼくは、結句に落差をつくる可能性があるのではないか、と思いましたが、まずはご自由にどうぞ。

────────────
瀬戸さやかさん→秋月祐一


改作です。

【改作案1〜4】
何もかも信じられずに筋肉は裏切らないけどみんな裏切る

君だけに褒められたくて筋肉は裏切らないけど綺麗になれず

君だけに褒められたくて筋肉は裏切らないけど深まる孤独

君だけに褒められたくて筋肉は裏切らないけど最後はひとり

どうでしょうか?

────────────
秋月祐一→瀬戸さやかさん

ご改作ありがとうございます。

「君だけに褒められたくて筋肉は裏切らないけど」は、このまま活かしてみましょうか。

結句にもっと詩的飛躍があってもいいような気がします。四句までを受けとめる喩やイメージを端的に提示すればよいのでは?

────────────
瀬戸さやかさん→秋月祐一

【改作案5】
君だけに褒められたくて筋肉は裏切らないけどなんだかイタイ

あまり詩的ではないでしょうか。

────────────
秋月祐一→瀬戸さやかさん

ご改作ありがとうございます。

〉君だけに褒められたくて筋肉は裏切らないけどなんだかイタイ

このへんは好みの問題と言えるかもしれませんが、「筋肉は裏切らないけど」の逆接をしっかり受けようとすると、発想を飛ばせなくなりますね。

「〜けど」で軽く切れてると思って、インパクトのある言葉を探ってみてください。

────────────
瀬戸さやかさん→秋月祐一

【改作案6】
筋肉は裏切らないけど美しすぎる

あまり詩的じゃない…
逆説だから、と思って

【改作案7】
筋肉は裏切らないし美しすぎる

と、「けど」を無くしてみたんですが、「けど」はあったほうがいいんですかね。

────────────
秋月祐一→瀬戸さやかさん

ご改作ありがとうございます。

〉筋肉は裏切らないし美しすぎる

うーん。結句があっさりしすぎているような気がします。

上下を逆にして、
「筋肉は裏切らない(よ)君だけに褒められたくて○○○○○○○」と、言葉を足す部分を変えてみるのはいかがでしょうか?

────────────
瀬戸さやかさん→秋月祐一

【改作案8】
筋肉は裏切らないよ君だけに褒められたくて光を削る

【改作案9】
筋肉は裏切らないよ君だけに褒められたくて白しならせる

どうでしょうか?
(けっこう今回は難しいです)

────────────
秋月祐一→瀬戸さやかさん

ご改作ありがとうございます。

〉筋肉は裏切らないよ君だけに褒められたくて光を削る

〉筋肉は裏切らないよ君だけに褒められたくて白しならせる

まず「筋肉は裏切らないよ」の「よ」は、いろいろとアレンジ可能ですね。

いただいた二案、どちらも結句が抽象度の高めの表現となっていますが、逆に、シンプルな具体という手もあるような気がします(むずかしい局面ですが、がんばって!)

────────────
瀬戸さやかさん→秋月祐一

シンプルな具体ということで…
上の句も少し微調整してみました。あと、今更ですが、作中主体は男性を想定してます。

【改作案10】
筋肉は裏切らないね君だけに褒められたくて息を荒げる

【改作案11】
筋肉は裏切らないんだ君だけに褒められたくてしごく指先

────────────
秋月祐一→瀬戸さやかさん

こちらの形がスリリングでいいように思いました。今回の最終稿とさせていただきます。

【最終稿】
筋肉は裏切らないんだ君だけに褒められたくてしごく指先/瀬戸さやか

「筋肉は裏切らないんだ」「君だけに褒められたくて」「しごく指先」という3つのフレーズが、緊張感をもって響き合っていますね。

ねばりづよいご改作、ありがとうございました。

────────────

*読者投稿欄でぐでぐでは、
みなさまからのご投稿をお待ちしております。
  ↓
natsutoaki.degdeg☆gmail.com
(☆を@に替えてください)

* * *

【カピバラ温泉日記/秋月祐一】

2019年12月1日(日)
[演劇]きゅうかくうしお『素晴らしい偶然をちらして』@横浜赤レンガ倉庫。辻本知彦さん・森山未來さんを中心とした9名のユニット。メンバーのやりとりなど、制作過程がそのまま舞台化され、裏方スタッフも出演者となるユニークな構成。ラストのダンスがこの上なく美しかったです。

12月2日(月)
[就活]就活の面接を受けてきました。いい結果でありますように。

12月5日(木)
[映画]越川道夫監督の『夕陽のあと』を観ました。鹿児島県の長島を舞台に、里子の男の子をめぐる、産みの母(貫地谷しほり)と育ての母(山田真歩)の葛藤を描いた作品。子どもを遺棄した母親の再起についても触れられていて、とても深みがありました。

12月6日(金)
[短歌]第二歌集の初校ゲラが届きました。最善を尽くしたいと思います。

12月13日(木)
[就活]就活は一進一退。明日からも頑張ってゆきます。

12月14日(土)
[演劇]少年王者舘『アサガオデン』@下北沢ザ・スズナリ。蟻をモチーフに、夕沈ダンスと、落語と、坂本弘道さんのチェロの生演奏が絡みあった、マジカルな舞台。新鮮なおどろきに満ちていました。


12月20日(金)
[読書]中野タコシェで購入した森雅之さんの本、
『ポケットの中の唄』(青林工藝社)
『ダンスの準備』(MM文庫・3)
『こども時間』(MM文庫・4)
いずれもイラスト付のサイン入りでした!

12月21日(土)
[短歌]歌集づくりも、大詰めを迎えたところで、歌の差し替えを行いました(ふたつの章で、それぞれ一首ずつ)

12月22日(日)
[短歌]歌集づくり。歌の並び順をぎゅーっと考えています。

12月23日(月)
[音楽]あがた森魚さんの新譜『観光おみやげ第三惑星』。新鮮ななつかしさ、と言うべき感覚に包まれました。

12月25日(水)
[音楽]クリスマスの夜、WATER WATER CAMELの『分室2』を聴いています。研ぎ澄まされた美意識を感じさせてくれる、6曲入り22分のミニアルバムです。ぼくの愛聴盤のひとつ。

12月26日(木)
[映画]あがた森魚「キューポラのある街 映畫音樂會2019」@川口メディア・セブン。数々の映画の上映、あがたさんのミニライブ、山崎哲さんとあがたさんのトークで、トータル5時間半のイベント。楽しい1日でした。

12月27日(金)

2019年自選五首

ちぷたぷと緩衝材を潰してるちぷたぷ、きみはおでこ広いな

ロバに乗つたことがないつて気がついてすこしさみしい履歴書を書く

カセットテープはもう死語ですか死後ですかうしろ歩きで商店街を

らむねらむねしゆわつとみなをしあはせにするねすごいねおまへはらむね

ぽつとかぽーとか声を発する妻そしてツチブタはなんて鳴くのだらうか

12月30日(月)
[読書]小晦日の夜、石田千さんの『箸もてば』(新講社)を読んでいます。食を題材にした味わいのある散文集です。来年は、この作品のように、滋養のあるものを読んだり、書いたりしてゆきたいと思います。

[音楽]日本レコード大賞。Foorinの「パプリカ」が大賞を獲ったの、とてもうれしい出来事ですね。

2020年1月1日(水)
[映画]元日は、12月にブルーレイが発売された、映画『ゴンドラ』を観ました。孤独な少女と、高層ビルの窓拭きの青年のロードムービーで、大好きな作品です。

[抱負]「秘めた多言」と「滋養がある」。これを今年のキーワードにしようと思います。そういうものを観たり、聴いたり、読んだりしたいし、自分もそういうものを書いてゆきたいです。

2020年1月2日(木)
[音楽]深夜の音楽は、大江千里さんの『Hmmm』。ピアノトリオのご機嫌なアルバムです。ぼくの愛聴盤のひとつ。

2020年1月7日(火)
[読書]笠木拓『はるかカーテンコールまで』(港の人)より

日記では二人称にて呼ぶひとを思えばどんな陸地も水辺

空港をくださいどうかてのひらにおさまるほどの夜の空港

カクテルにささる果物ばかみたい、でも親友と呼びたかったよ

2020年1月10日(金)
[読書]眠れぬ夜のお供は、金井真紀さんの『酒場學校の日々』です。

2020年1月13日(月)
[囲碁]囲碁と将棋では将棋派のぼくですが、急に囲碁もやってみたくなり、井山裕太さんの囲碁入門書を読んでいます。今日読んだのは、井山裕太著『井山裕太のいちばん強くなる囲碁入門』(成美堂出版)と、井山裕太監修『マンガでわかる囲碁入門』(池田書店)です。どちらもわかりやすくて、いい本でした。

2020年1月15日(水)
[囲碁]高尾紳路さん監修の『手筋と詰碁の超基本』(池田書店)を読了。この本はなんども読み返して、基礎をしっかりマスターしたいと思います。梅沢由香里さんの『梅沢由香里流すぐに打てる9路盤』(NHK出版)。9路盤の実戦を一手ずつ解説した章が、とても参考になりました。

2020年1月16日(木)
[就活]今日は、就活の面接でした。いい結果でありますように。

[囲碁]依田紀基さんの『小学生のための囲碁入門』(日本文芸社)。小学生のための、とありますが、本格的な内容です。十九路盤の対局の流れを解説した章が、参考になりました。

2020年1月18日(土)
[囲碁]『入門、初心者のためのはじめての詰碁』(日本棋院)。基礎を反復練習させるような感じで、ぼくのいまの棋力にちょうどよい本でした。

2020年1月21日(月)
[就活]就活の二次面接を受けてきました。ちょっぴり緊張。

[囲碁]石倉昇さんの『一人で強くなる囲碁入門』(日本文芸社)。十九路盤の対局(17子局・9子局・互先局)を解説した章がとても参考になりました。

2020年1月22日(水)
[俳句]インターネット句会用に、夏雲システムやメーリングリストの設定を、あたふたと。

[囲碁]妻も碁をはじめたので、さっそく9路盤で対局を。ふたりとも下手だけど、それなりに囲碁っぽい雰囲気を味わうことができました。

[音楽]平手友梨奈さんが、欅坂46を脱退。ソロ活動してほしいな。これからも応援してゆきます。

2020年1月26日(日)
[読書]大岡信・谷川俊太郎編『声でたのしむ 美しい日本の詩』(岩波文庫)を読んでいます。古典和歌、近代短歌、歌謡・連句、近世俳句、近代俳句、近・現代詩にわたるアンソロジーです。

2020年2月1日(土)
[囲碁]9路盤での夫婦対局。妻が4子置いたかたちで、ぼくが2勝しました。

2020年2月3日(月)
[映画]『音楽』を観ました。学校一の不良三人組が、ひょんなきっかけからバンドを組むことになって…という手描きアニメーション作品。音楽への初期衝動を見事に表現した傑作だと思います。声優陣がとっても豪華。

[就活]おかげさまで、就職が決まりました。サビ猫くうちゃんと妻と、祝杯を挙げております。

2020年2月5日(水)
[就活]今日は、新しい仕事に向けてスーツを新調。前職は完全に私服だったから、着るものはがらっと変わります。

2020年2月8日(土)
[写真]一大決心をして、富士フイルムのX100Vというカメラを予約しました。発売は2月下旬。とっても楽しみです。

2020年2月9日(日)
[俳句]今日は、宮本佳世乃さんの第二句集『三〇一号室』を買い、「e船団」読者投稿欄の俳句評を書き、自分の句も書いた、という俳句三昧の一日でした。

2020年2月11日(火)

[演劇]ARICA『KIOSK』@横浜BankART Station。世界各国で上演されてきた傑作の再演。キオスクでペットボトルの水と新聞を売る、元綱渡り師の女性の一日を描いた作品です。コミカルな儀式めいた作業を通して、労働というものの哀感が伝わってきました。

2020年2月12日(水)
[短歌]個人的に、塚本邦雄を読みかえす時期が来たようなので、手はじめに『寵歌變』を読んでいます。

2020年2月14日(金)
[読書]『三木成夫 いのちの波』(平凡社 STANDARD BOOKS)を読んでいます。理系・文系でいうと、文系の人にもっと読まれてほしい、解剖学者・生命形態学者の文業です。

2020年2月16日(日)
[短歌]今日はLINE歌会に参加。全国各地から、場所を気にせず、歌会に参加することができるのだから、画期的。

2020年2月20日(木)
[旅行]妻との関西旅行1日目。姫路文学館で、永田耕衣展を観てから、大阪へ移動し、美味しいお寿司をいただきました。

2020年2月21日(金)
[旅行]妻との関西旅行2日目。USJで一日遊んだあと、難波で美味しいおでんをいただきました。

2020年2月22日(土)
[旅行]妻との関西旅行3日目。大阪・中崎町にある詩歌の専門書店〔葉ね文庫〕にうかがってから、京都で歌人の正岡豊さんにお会いしました。

2020年2月24日(月)
[音楽]吉田慶子さんと黒木千波留さんのデュオ@吉祥寺ストリングス。おふたりの作りだす繊細極まりないサウンドを堪能。日本語詞も2曲歌われて、自在な境地の吉田さんでした。

2020年2月25日(火)
[映画]三島有紀子監督の『Red』を観てきました。夏帆さんと妻夫木聡さんが主演の、不倫の愛を描いた映画です。人生について深く考えるきっかけとなりうる、すばらしい作品でした。もういちど観たいし、島本理生さんの原作も読んでみたいと思います。

* * *

【編集後記】

最後までお読みくださり、ありがとうございます。

新しいカメラを手に入れました。
富士フイルムのX100Vというカメラです。
春からの新生活を切り取ってゆきたいと思います(秋)

─────────────────
「夏と秋」Webマガジン 第14号
2020年2月28日発行
発行人:秋月祐一
─────────────────


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?