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ザ・チックス(ディクシー・チックス)MV、14年ぶり新アルバム全曲フル公開

5月1日発売予定が、新型コロナウイルスの影響で7月17日に発売が延期されたチックスの新譜が出ました。
14年ぶりのアルバムはロードの彼氏ということで以前話題になっていたジャック・アントノフ(Jack Antonoff)がプロデュースを担当。ポップ系のプロデューサーを迎えたことでどうなるかなと思っていたけど、14年前と大きく音楽性が違うことはない作品に出来上がっている気がします。彼はテイラー・スウィフトをはじめとするシンガーソングライターと組むことがここ数年多いらしい。どれも女性の心理描写をうまく切り取った曲を作り上げていてティーンの心に響くサウンドを作っているようです。
ジャック自身のミュージシャンとしての音楽性も、ロック、オルタナ、ダンス、ポップのどのジャンルにも精通していることもありポップすぎもせず、古いカントリーの匂いをさせるでもない音作りに仕上がっています。今回のチックスのアルバムはそれを狙ってかどうかはわかりませんが、全曲聞いた感じでは、「決して14年のブランクもなく、古くもない、いわばまさに今のチックスらしいアルバム」という気がします。
3月に先だって発表されていたGaslighter,はアイリッシュダンス写真を取り入れてクラッシックなアメリカの映像をフラッシュさせて話題性があったのですが、私はそれよりもBlackLivesMatterでアメリカが大変なことになった瞬間に間髪入れて出してきた「MarchMarch」に驚いています。時期に合わせて作成されたのかちょっとわからないのだけど、この曲はある意味チックスにはカケだったに違いないことは確かで(過去の発言で政治的なトラブルがあったグループなので)「2003年のディキシーチックスは二度と聞かないと思ったが、新しいチックスはむしろ聞くべきだと思う」というファンの感想があるくらい、うまく舵取りができて方向転換したと思いました。(ファンの私としてはホッとした)考えてみれば14年前はまだ8、9歳だった子供は22、23歳になり、下手したらチックスの音は初めて聞く!お母さんが聞いてたよ!という世代が今回初めて「MarchMarch」でチックスに触れたかもしれませんね。
そして毎回アルバムではナタリーの心が表された曲が数曲あるのだけど、今回はエイドリアン・パスダーと離婚したこともあり(苦労した離婚で子供二人は引き取っているらしい)彼女自身が「曲作りは本当に苦しいもので、特に生活を立て直すまで大変だったし」とインタビューでも答えている通り、曲の中にもあちこちにそれを匂わす歌詞も出ていたように思えます。またそれが当時17、18歳だったファンが31、32歳になり「そうそう、わかる!!男って!」と共感を呼ぶのかもしれませんが。
全体としては、明らかに先行リリースで話題を呼ぶ「Gaslighter」「March March」「Julianna Calm Down」もですが、個人的には「Sleep At Night」の歌詞の中にMy husband’s girlfriend’s husbandという単語が飛び交うあたり、ナタリー、、、チックスも14年の時を経ていろんな経験を皮肉って歌にするくらい強くなって戻ってきたんだなと嬉しくなっています。決してカントリーというサウンドではないけど、彼女たちの根底にはカントリーとブルーグラスがあるので聞いているとどの曲も「っぽさ」が聞こえてきます。それを感じつつ今の音楽として新しくも聴けるあたり、聴き込んでみたいと思います。

まずは、お帰りなさい!チックス!!


ちなみにしばらくツアーはなさそうですが、彼女たちのツアーを通して聞いてみたければYoutubeで現在「 DCX MMXVI World Tour」が視聴可能です。今までの集大成の楽曲を聞いてみてください。

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