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二〇二二年九中 熱海銀座劇場感想(黒井ひとみさん)

※お写真は掲載許可いただいています。

〇雑感
ストリップ劇場はどこも独特のカラーがあると思うけれど、群を抜いて特殊~! と感じることが多かった熱海銀座劇場。音響も照明もスタッフさんがいなくて、なにもかもが踊り子さんに委ねられている。だからこそ、他の劇場ではなかなか無い距離感で踊り子さんの存在を感じることができた。

そして同時に、他のお客さんとの距離感もよその劇場とはぜんぜん違うな、と感じた。わたしはほかのお客さんとは話せなかったけれど、周りの声がいつもよりよく聞こえてくる。みんな「黒井ひとみ」だけを見に来た同志ばかりで、それぞれの「おれとひとみのヒストリー」があちこちから聞こえてくる。すべてにいいねを押して回りたいくらいの熱量。ひとみさんが配り続けてきた愛が、ひとみさんの元に結集している! なんて居心地のいい空間なんだ。

一回めの「モダンガール」を観たときに、これは劇場のレトロな雰囲気にぴったりだ! と強く思ったのだけど、結果として観ることのできた4つの演目ぜんぶが劇場にぴったりだった。どれも他の劇場で観たときとは当然ちがう演出で、だからこそこの場にしかない趣が生まれていて、ほんとうに「ここでみることができてよかった~!」と心から思い続けた。


○観劇前
開場十九時、開演が十九時半、とひとみさんのツイッターで告知されていたものの、十七時半くらいに場所の確認も兼ねて劇場をチラ見。

ずっと行ってみたいと思っていた劇場だったので、ここが……! と感慨に浸る。

海を眺めたり、海鮮丼を食べたりして気持ちを落ち着けてからいざ劇場へ。女性は割引で三千円。ママさんの柔らかい雰囲気と、黒井ひとみのために集まったお客さんたちの静かな熱気ですでにめちゃくちゃ居心地がいい。劇場のキーホルーダーを買ってさっそく鞄につけた。

十九時過ぎくらいに着いたのだけど、飢餓海峡の音響が漏れ聞こえていて気持ちが盛り上がる。やがて開演時間が近づき、おれたちの(!)黒井ひとみが入り口でひとりひとりに声をかけながら出迎えてくれる。ひとみさん大好きです!(一回め)

演目がはじまるまえにひとみさんとみんなでご歓談。きょうの演目何にする? とか、他の劇場ではありえない空気感がたまらない。熱海っていいところだな〜!

ここではじめて、熱海銀座劇場には音響さんも照明さんもいないことを知る。ほんとうのほんとうに、踊り子さんの身ひとつに任されている……ひとみ100パーセント……(?)

第一回めの演目も決まり、いよいよひとみさんが着替えるために袖にはけるとき「どうぞご歓談ください」と言われたものの……最初は探り探りで静か……話しかけるのはハードルが高くてわたしはできなかったけど、ここにいるみんなひとみさんのことが大好きなんだな! と思うと居心地がよくて、結局さいごまで誰とも話せなかったものの、ずっと「ミンナ、トモダチ」の気持ちですみっこにいました。


○1 モダンガール
なんというか、モダンガールのモダンな空気・場末感(?)が劇場にめちゃくちゃ合う……! いつか欲しいと思っていたキスマークつきの手紙が降ってきてほくほく。

わたしはひとみさんの唇が(唇も!)だいすきです。こう、手紙とかご自身の腕とかに口付けるときの、ふに、ってやわらかくかたちを変える感じがたまらない。

そしてめっちゃくちゃいい匂いがする! ひとみさんはいつもいい匂いがするけど、さらに近い! 幸せ! 近さで言えば他の劇場でも負けてないところはあるけれど、熱海はごく近くから踊り子さんを「見上げる」格好になるので、なんというか『崇拝』感が強くてよかったです。ひとみを信じれば救われる……。

演目のあとはポラ。スマホで撮影する背徳感がすごいな……?ひとりひとりに「アプリ(ビューティープラスとか)は?」って確認するひとみさんが可愛い。そして当然のようにぜんぜんアプリ入れてない男子諸君も可愛い。オープンショーはいつものひとみさんらしくひとりひとりへのサービスが濃い。ひとみさん大好きです!!(二回め)

演目の合間、休憩もとらずにトークショーそしてフードショーを見せてくれるひとみさん。天使。でもちゃんと休んでほしい。欲を言えば休む姿も見ていたい……ウッ……推しの健康と幸せを第一に祈る光の自分と、どんな推しの姿も目に焼き付けたい影の自分がせめぎあいます。ひとみがわたしを狂わせる。

ちなみに初日のひとみさんがフードショーでめしあがっていたのはコーンパン! コーンパンです!! ひとつたべてふたつめの途中でお残ししてました。待たせないようにと気を遣ってくださったのかな。ちゃんと召し上がってください。推しの咀嚼をみているだけで幸せ……


○2 ちょっとえっちなあいどる
二十一時ごろから始まった二回めはちょっとえっちなあいどる。あいどる、演目を通してのギャップがたまんないですよね。

まずは王道・元気いっぱい超かわいいキュートなアイドル! それでいて時に王子様のようなファンサを繰り出し、周りの紳士たちがどんどんメス猫にされていく。やがてアイドル衣装から色っぽい薄手の衣装に着替えると、もう……国民的彼女……あの薄いおなかのなかにコーンパンが入っているとおもうだけでたまりません。

二十一時半ごろからご歓談タイム。一回めよりもほかのお客さんたちは打ち解けてきた様子で、すこしずつおしゃべりの声が聞こえてきます。

近くにいた紳士の「ストリップは十日間で本番が四十回もある。だからこそ踊り子さん一人一人の思いの強さがすごいんですよ」みたいなお言葉がとても印象にのこりました。ほんとうにその通りだ……そしてそのどれも、映像として記録されることは(ほとんど)無くて。ひとつひとつの舞台が奇跡だなって…… 

紳士たちの会話にひそかに目頭を熱くしていると、舞台袖からぬるりと出てくる段ボール。察し! 次の演目察しました!! 大好きなやつです。何度泣けばいいですか。


○3 エスケープ
ここで観られるんだ……という感慨でいっぱいの中はじまったエスケープ。いつものエプロンを忘れちゃった、とのことで、冒頭のシーンはひとみさんの私服バージョン。ママのお洋服が……色っぽいよママぁ……! 序盤から心がやや乱れます。

過去の衣装を身につけ、回想シーンへと没入していく主人公の「覚醒」した表情がたまりません。日常を守る母の姿から、かつての踊り子の姿へと変わり、ドレスを翻す身のこなしは何度観ても惚れ惚れします。あと使われている音楽がどれも好き過ぎて、毎回新鮮に「ここでこの選曲〜〜! たまんねぇ〜!」って全わたしのスタンディングオベーションが止まらない。いろいろ深読みしちゃう選曲でもありますよね……!

道劇ではじめてエスケープを観た時に、終盤で身ひとつになったひとみさんを背後から真っ白な光が照らし出す演出が凄まじくて涙が止まらなかったのをずっと覚えていて、照明さんのいない熱海ではどんな感じなんだろう? と思っていたのだけど、また別のものすごい感慨がありました。

弘法は筆を選ばず。踊り子は場所を選ばず。それぞれの劇場との化学反応が、ストリップの魅力なんだろうな。わたしは今回が初遠征なのだけど、これは……遠征ハマってしまうかもしれない……!

演目のあとのポラ、この日のために着てきたボイタチームショ―Tシャツ(新陳代謝ちゃんさん作成)がオソロになってめちゃくちゃ昂った〜! 

今回はスマホでの撮影ということで全年齢向けのお写真のみなのだけど

「各自撮り方で隠してください! わたしは穿きません(笑)」

が面白すぎた。ひとみさん大好きです!!!(三回め)

質問コーナーでは「最後の晩餐に食べたいものは?」なんて普段のポラタイムではまず出なそうな話題も飛び出して特別感が嬉しい。ひとみさんの最後の晩餐と好きな食べ物を聞けました。

熱海は新規のお客さんが入ってこないと次の公演がはじまらない、とのことだったのだけど、コンスタントに一見さんがやってくる。このときもいよいよの最終回を前にして、なんと新規のお客さんが五人! ひとみさんの表情がさーっと変わる。

「ヤバい、つぎ飢餓海峡やろうと思ってるんだよね……」

 それを聞いて盛り上がるファンたち。わたしも思わずメモに「かましたれ!」って走り書きしてました。笑


○4 飢餓海峡
既に観たことのある方々にとっては言うまでもないことだけど、飢餓海峡、ほんっっとうに冒頭の目の演技がとんでもないですよね。まさに機械仕掛けの人形。本当に瞬きしてない。ここが照明も音響も踊り子さんに委ねられている劇場であるとは思えないくらい、世界観への引き込みがすんっごい。

人間らしい表情に変わったあと、好きな男との思い出を振り返り、会いに行くって決めた女の純粋な喜びと昂り。このシーンを挟むからこそ「そんなぁ!」からの怒涛の展開にゾクゾクする。

いつもそうだけど、熱海ではいっそう「もう一人」の存在を生々しく感じた。立ち去ろうとした主人公を引き止める手も犯す身体も、ちゃんと、見えてくる……すごい。本当にすごい。

このひとを追っかけてこの舞台を観にきて、よかったなぁと心から思った。演目を終えたあとのお辞儀でまた涙が出てしまいそう。

この日最後のオープンショー、他のお客さんと話せなかったわたしはチップと一緒に、ひとりコソコソ書き続けたリアルタイムの感想(旅行カバンに便箋を忘れて、持っていた手帳を引きちぎった四枚ぶん)を押し付けました。ひとみさん大好きです!!!!(四回め)


○終演後
はじめての劇場で、きっとすごく緊張なさっただろうし勝手がわからなくて困ったこともあったのではないかと拝察するのだけど、そんなことはわたしたちに感じさせず、ひとみさんを追っかけてきたファンにも新規のお客さん(ストリップ自体はじめてのひとも!)に対しても、だれひとり寂しくさせない愛を注いでくれるひとみさん。

どう考えてもクタクタで立っているのもしんどいはずなのに、最後まで全力のパフォーマンスを見せてくださったうえ、終演後はひとりひとりをお見送り。はやく休んでぇ……と思いつつ、ついつい名残惜しくてお話ししたくなってしまう。

もう自分がなにを言ったのか半分くらい飛んでしまっているのだけれど、とにかく良かった、来てよかったし観られてよかった、ひとみさんに出会えてよかった、みたいな気持ちを伝えたかった(願望)。

実際はこんなふうに言葉にはならなくて、ア…ヨカッ…くらいを繰り返したあとで、「帰り道気をつけてね」って気遣ってくださったひとみさんに「大丈夫です! 走ります!」とか言ったくらいかもしれない……笑

熱海で過ごしてからはやいもので一週間くらい経とうとしているのだけど、手帳にはさんだままの「モダンガール」でもらったキスマーク付きの紙からはまだかすかにひとみさんのいい匂いがして、夢じゃなかった……の気持ち。

舞台の真下にぺたっと座って、見上げ続けた大好きな踊り子さんはほんとうにほんとうに格好よかった。

ひとみさん、大好きです。ひとみさんと同じ時代に生まれたことが幸せです。ただただ、ひとみさんが元気でいてくれたらうれしいです。眼差しから、踊りから、たくさんの愛をみせてくださってありがとうございます。

ひとみさんに良いことがたくさんありますように!

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