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たまに椅子で眠る

仕事を始めてから、寝落ちをしてしまうことが増えた。

何かの作業中が多くて、今日は目が覚めたとき、机の上にある卵形のキティちゃんの時計はもうすぐ3時を指すところだった。
これは深夜の3時のほうであることは部屋の暗さからして間違いなさそうだ。寝落ちをして、真夜中にパッと目覚めたとき特有の、へんな目の冴え方をしているが、頭は再起動直後のため、さっきまでしていたことが全く思い出せない。

いまお腹すいてないし、夜ごはんは絶対に食べた。まだ3時だから、今からちゃんとベッドで数時間ほど眠りなおして、仕事には間に合う。
それは良いが、わたしは風呂に入ったのか?

こんなとき、寝落ち起床後の気分が最悪になるかどうかを二分する最重要要素となるのが風呂である。(2番目は洗い物をしてるかどうか)

果たしてわたしは風呂に入ったのか。入っていないのか。

目が覚めてすぐに「うわ…… 今からお風呂入らなきゃじゃん。最悪だ」と思った。が、わたしは以前も寝落ちした時、自分が風呂に入っていないと本気思い込んで最悪な気分になったが、実際には風呂が済んでいたということがあった。

目の前の真っ暗なノートパソコンの画面に、まだ化粧をしていて、しんどそうな顔の幽霊がうつっていたら、風呂に入っていないことがすぐにわかったのだが、あいにく部屋の灯りは少し離れた場所にあるデスクライトしか点いていなかったため、パソコンの画面に反射する自分の姿はおぼろげだった。髪の毛は完璧に乾いているし、首にバスタオルとかもかけていない。でも風呂に入った記憶はない。これは一体どっちなんだ。

びっくりするほど思い出せないため現場を見て確かめようと立ち上がったその時、シャワーを浴びている最中、指のうぶ毛に気づき、かみそりで剃った光景を思い出した。

じゃあ、風呂に入ったんだ。

そういえば、作ったごはんとお味噌汁の残りも冷蔵庫に入れたし、洗い物も完璧に済ませたんだ。(なんなら今日はシンクと排水溝の掃除までしていた)
多めに炊いたごはんも、お茶碗1杯分ずつラップにくるんだものを洗濯機のフタの上に置いて冷ましていた。

本当にでかした、寝落ち前のわたしはすべての家事と風呂を完璧に済ませ、寝るべくして寝ていたのだ。ありがとう、ありがとうすぎる……!

寝落ちする直前に、パソコンでこれから書きたい文章のアイデアをメモしていた。そうしたら眠くなってきて、いまにも落ちそうな意識の中、ザ・ガードコーワ3錠を緑茶で流し込んだことまで思い出した。
風呂上がりに緑茶を飲みながら作業しようと考えていたため、歯磨きはしていなかったことを思い出した。