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ふるえる手 午前1時のカラオケの個室でふたり息をひそめる
ウクレレの音はしめったカーテンのなかを光で満たすいきもの
日曜日ふんわり暗い夜を抜けてホットサンドで暖を取る朝
のろのろと進むあくびの渋滞と 田んぼを駆けるオレンジの点
道端で はためく寿司が目に映る 寿司 あれは寿司 寿司 鮪 寿司 ーーーーーーーー…
店頭のひなあられ見て四季を識る
校庭に授業中だけ降った雪みたいに溶けてしまった2月
鼻にキスして 目の縁なぞり いつも近くに いる花粉
まだ照らさないで やさしく頬を撫でる毛布がやけに心地よいから
輪郭がぼやけた山はこの街が起きる前だけはっきり見える キャンディーの包みの端と端を持ち引…
落ち込んだ心に気づき減っているお腹に気づく ごはん食べよう 怒ってる人は空腹 泣いている…
前髪を持ち上げた風 人波の消えた校舎の深いため息 進むたび灯る照明 ふりむくと廊下の向こ…
ひと切れのりんごが月に変わるころ とおいどこかで鐘がふるえた
日の出前デスクライトに照らされた一箱 しあわせが5枚入り 本当なら部屋で寝たいし 小松菜も採りたくないけど 祖母は好きだし 数百の目が向かう先 煌めいてレンズを睨む青い明星