わたしが大人になってしまう前に
20歳は若いのでしょうか。
わたしは去年10月に誕生日を迎えた時、「もう20歳か」としか思いませんでした。
それは、わたしが、昔のわたしが思い描いていた20歳にはなれなかったからです。
出来ればずっと19歳でいたかった。
10代という勇者の剣をぶん回していたかった。
未成年なのにこっそりお酒や煙草を嗜み、そんな自分に酔っていたかった。
だけどたまに「10代だから」という理由で逃げていたかった。
少し大人びた発言や振る舞いで、「まだ10代なのに凄いね」と言われたかった。
みんなが知らない世界を知っていたかった。
周りの青臭い同い年より頭一つ抜きん出ていたかった。
普通の19歳じゃできない経験をたくさんしたかった。
自分よりずっと大人な人との恋愛に溺れたかった。
この先胸を張って生きていけるような武器を見つけたかった。
そんな願い叶わぬままに、20歳を迎えてからもう4ヶ月経とうとしています。
「大人から見ると、大人ぶろうとしているガキは見ていて腹立つ」と、大人に言われたことがあります。
そのころのわたしは、大人に見られたい虚栄心の塊だったから、この言葉に泣きました。それはそれは泣きました。人格を否定されたとも思いました。それは人格でもなんでもなかったのに。
わからないことがあっても「わからない」と言えなかったし、「教えてください」とも言えなかった。「なんでも知ってる自分」を演じすぎて、聞くのが怖くなった。そんなわたしを誰も望んじゃいないのに。
でも、大人からすれば大人ぶっているガキはムカつくし、むしろ「分からないので教えてください!」と積極的に学びの姿勢を見せる子の方が可愛いはずでしょう。
わたしは、可愛くなりたい。
わたしは、10代の頃に培った変なプライドを捨てて、20歳にして等身大の「わたし」を生きようとしています。
それはわたしにとってはすごく難しいことで、気を抜くと今度は「一皮むけて大人になったわたし」を演出しようとしてしまいます。
もしかしたら、この先自分よりずっと大人で、考えが豊かで、余裕のある同い年やもしくは年下の子に巡り会うかもしれない。でも、まだその子に嫉妬しないほどわたしは大人ではありません。
ちょっとずつ、ちょっとずつ、等身大の20歳のわたしになっているはず。
そこから、ちょっとずつ、ちょっとずつ、でも出来れば早く大人になりたい。
わたしの人生の20年目を、何も残らない1年にはしたくない。
わたしは、今日も、がむしゃらに生きてます。
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