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5年前にコミュニティを立ち上げ、5年活動してみて思うこと

私たちは5年前に母親たちのコミュニティを立ち上げ、5年活動しています。

5年前のあの日は、私にとって間違いなく人生のターニングポイントで、この5年間を振り返ってみると、ほんとにたくさんのことがあって、アップデートは書き尽くせないし、感謝しきれないです。

このnoteはコミュニティの5周年当日までに、メンバーが「アップデート」をつづるカウントダウン企画で、今日で35日目の最終日となりました。

今日は、私なりにこの5年を振り返ってみて、今思うことをここに書き留めておきたいと思います。

書き始めたら7,000字近くなってしまいましたが、大事なことはぎゅっと詰め込んだつもりです。

なぜコミュニティを立ち上げたのか?

一言で言うと、自分のなかの「悔しさ」が大きかったんだと思います。

私の育ってきた家庭では、ある時期から父と母の関係が良くなく、ケンカもよくある家庭でした。私自身も子どもながらにイラっとすることも多く、しんどい気持ちだったことを覚えています。母の病気があったり、その後別居して、私と姉は母子家庭で育つことになりました。

このときの原体験から、女性として「自立したい」という気持ちが芽生えました。就活のときも「女性が活躍している、活躍できる職場」が、私にとっては何よりも大事なポイントだったんです。

ありがたいことに入社した会社は外資系ということもあり、日本企業に比べれば、ジェンダーギャップは少ない方ではあったと思います。でも、女性のリーダーは入社してから15年くらい経っても一向に増えていかないし、何よりトップ層やリーダー層にその危機感がないことに、モヤモヤしていました。

そんなとき、関連会社の男性役員が、「こんなに環境整ってきているのに、昇進できないのは女性側に問題あるのでは?」的な発言をされ、「悔しさ」が沸点に達したことを覚えています。

と言っても、私にできたのは、その場でのちょっとした反論くらいで。。
「ワーキングマザーとして、この先のキャリアをどうしていくか?」
「自分には何ができるのか?」など、悩んで、もがいていました。

そんなときに「閉塞感を打破しよう」と思って、始めたのが「ブログ」です。

そのブログをきっかけに、ちょっとずつイベントに出かけたり、新しい本を読んだり、小さな行動をするようになって、思い切って参加したのが、東日本大震災の被災地で行われた「合宿」です。
ヤフーアカデミア(企業内大学)の企画で、「チェンジメーカーになろう」がテーマでした。

ご家族を失ったり、壮絶な体験を乗り越えて、活動されているリーダーの方々のリアルな体験談には、涙なしには話を聴けず、心を揺さぶられました。

その合宿のなかで行われたワークショップでは、テーマを参加者が持ち寄ったのですが、私が出したテーマは「ジェンダーギャップ」。

社内では同じように課題感を共有できる人がほとんどいない状況だったので、このテーマを出すこと自体が、私にとってはハードルがあったのですが、思い切って出してみました。

そして、合宿の最後に「1分ピッチ」があり、これからやっていきたいことを「宣言」しました。

合宿の最後に「1分ピッチ」で宣言したこと

後から見返すと、大いに恥ずかしさもあるのですが、この「宣言」できたのが大きなアップデートで、次に繋がるきっかけになったんです。

それが、合宿の1ヶ月後である2019年1月23日。

NewsPicksの番組観覧「母親をアップデートせよ」があることを知り、「これだ!」と、それまで抱えていた自分のモヤモヤとか悔しさを書いたら、当選して番組観覧に行けることになりました。

合宿で宣言していた直後のタイミングだったこともあり、この日は何かが起きそうな予感があり、「1、2、3」とツイートしていたのを覚えています。(こんなツイートしたことは無かったので)

2019/1/23朝のツイート

とりあえず、思い切って最前列に座って、

気づいたら、番組の最後に「コミュニティを作ってみたら?」という問いかけに、勢いあまって手を挙げていました。

(そのときのことは、こちらのブログに書いてます。)

こちらのポストに、そのときの番組のダイジェストもありました!

誤解を恐れずにいうと、私自身は行動力がある訳でもないし、目立つような存在でもないし、何なら注目浴びるのが好きじゃないので、積極的に手を挙げることもできないタイプです。

じゃあ、なぜ手を挙げることができたのか?

それは、ブログをはじめたり、合宿に参加してみたり、1、2、3(ホップ、ステップ、ジャンプ)という感じで、段々とアクションを大きくすることができたからに他なりません。

2019/1/23 番組観覧のさいごに撮った写真。手を挙げた直後で、心臓バクバクでした。

この番組に出られていた花まる学習会の高濱先生と、落合陽一さんが掲げられていた「ファーストアクション」が、私たちを後押ししてくれました。

「つながりの中におく」
「土日に複業」

こう思っていたのは私だけでは無かったんだ。だったら、ひとりひとりが自己解決するのではなく、同じような課題感を持っている人同士が、つながり合って、励まし合うことを大切にしたい。

この日をきっかけに始まったのが、母親アップデートコミュニティです。

「母親を、もっとおもしろく。」をビジョンに掲げ、自分が自分の人生をもっとおもしろく、そして社会にある「母親」のイメージをもっとおもしろくしたいという思いで、活動をつづけています。

ありがたいことに、明日1/23に5周年を迎えることになりました。

スモールアクションを積み重ねていく意味

はっきり言って、いきなり大きな行動や挑戦をできる人がうらやましいです。

そうできない自分にイラっとすることもあるんですが、コミュニティをここまでつづけてきて、スモールアクションを積み重ねていく意味を感じてます。

「いやいや、こんな小さなことやっても意味ないでしょ…」と、自分のなかの小さな悪魔がささやくこともあるし、心が疲れることもない訳ではありません。それでも、小さな一歩が次の一歩につながることを実感してます。

2020/1/23の1周年イベントのときに、今では私たちコミュニティの恒例になっている「1分ピッチ」でこんなことを話しました。

メモが出てきたので、そのまま貼ります。

私は、この1年の活動を通して、「1人が100歩」より「100人が1歩」
の大切さに気づきました。

HUC(母親アップデートコミュニティ)には色んな母親がいます。

たとえば「週5で飲み会」行ってるとか、
「拡張家族」という新しい言葉に出会ったり。

別に大きな一歩を踏み出さなくてもいい。

私は週1イベント行けるかな?とか
シェアサービスをちょっと使ってみようかな?とか

「できない」「難しい」じゃなくて、「どうやったらできるか?」を考える。

自分の一歩が、だれかの一歩になることもあるし、
メンバーの一歩に、勇気づけられることだってある。

私が伝えたいのは、「一人ひとりが主役」だということ。
そして、コミュニティによって、この輪は大きくなる。

またここから、新たな一歩をはじめましょう。

「1人で100歩」進められる人はすごいけど、「100人が1歩」だと、その人の1歩に影響される人が増えていくから、結果的に100歩以上になる。

これはコミュニティを運営するようになって、実感できたことの1つです。

今まさに5周年イベントの真っ最中なんですが、「こんなイベントあったらいいかも」と言ってくれる人、「それやってみよう」と声をかけてくれる人、「じゃあ、企画やってみよう」としてくれる人、サポートしてくれる人、当日参加してくれる人、応援してくれる人、見守ってくれる人、アーカイブで観てくれる人などなど、1つ1つのスモールアクションが積み重なっていて、成り立っています。

よく「何も貢献できてなくて申し訳ない…」と言っていただくこともあるんですが、居ていただけるだけで大感謝です。だって、人には波があって当然だし、そこに居てくれる人がいるから、「じゃあ、私がやってみようかな」となる人がいる訳なので。

1周年イベントのときにメンバーが書いた「スモールアクション」。
私は「この輪をもっと広げよう」と書いていた。

自分自身のアップデート

私がこの5年間でアップデートしたことは書き尽くせません。

コミュニティを始めた当初は「週5で飲み会」行っているという母親に度肝を抜かれたり、「複業」とか「多拠点生活」とか「起業」とか、馴染みがなかった言葉にもたくさん触れました。

色々な価値観の人に触れること、自分の「枠」を飛び越えた環境に身を置くことは、自分自身を知る一歩でもあります。

私が「コミュニティを運営する」なんて思ってもみなかったし、「リーダー」的なことをやる機会なんてほとんどなかったし、思い切って手を挙げてしまった後から、無我夢中で目の前のスモールアクションを積み重ねて、今に至ります。

ちょっとずつできることを増やしていく感じです。

それまで気づかなかった自分の強みとか、得意なこと、好きなことにも気づくことができました。

たとえば、

ぐいぐい引っ張るとか、自分が前にでるタイプじゃないからこそ、ひとりひとりの人が楽しめることに注力できる。

ひとりひとりの変化を見られるのが、シンプルに楽しい。

応援し合える場をつくることが好き。などなど

自分がお役立ちできる領域が、ちょっとずつですが理解できてきたと思います。

その時点でのベターを模索しつづけて、半径5mからアップデートしていきたい

5年前の番組観覧で掲げられていた「つながりの中に置く」「土日に複業」。

まさにこれらのアクションから実践をつづけ、そこからつながったアクションを積み重ねていく5年間でした。

正直言って「あの時の方が良かった」と思ったことはありません。コミュニティという性質ゆえに全員にベストというのは難しいですが、その時点でできるベター(Better)を模索しつづけています。

そして、身近なところ、半径5mからアップデートをつづけている感じです。

ざっとここまでやってきたことの一部をご紹介すると、

・初めてのクラウドファンディングとフェス。
・公式SNSスタート
・運営チームのリニューアル(半年ごと)
・ドキュメンタリー動画
・周年イベントで始めた「1分ピッチ」
・「母親アップデートかるた」
・コロナ禍で始めた「部活」や「読書会」や「ランチ会」
・音声メディアVoicyで始めた「母親アップデートラジオ」
・他の団体とのコラボ企画
・共創施設「SHIBUYA QWS」への参加と、3分ピッチ
・「QWS AWARD」で再びピッチ
・本田圭佑さんの中高生向けオンラインスクールでメンバー7人が授業
・「おにぎりでGO」の楽曲リリース
・「母親アップデートWEEK」「母親アップデートLIVE」
・国際女性デー企画
・「母親100人図鑑」
・NHK「クローズアップ現代」に取り上げていただく
・学生向けのキャリア授業がオンライン進路相談
・アクセンチュアさんとのコラボ企画
・「マミートラックを、ボーナストラックに。」のリスキル講座 などなど

続いていることもあれば、うまくいかなかったこともあります。

広がりという意味では、コミュニティの運営母体として立ち上げた一般社団法人母親アップデート
1周年のときに「この活動には意味がある。この活動を続けていきたい」という思いが湧き上がり、コミュニティを持続可能にしていく、コミュニティの中でできていることを外に広げていく目的で設立しました。

でも、私自身の未熟さゆえに、周りの人たちを巻き込んでご迷惑をかけてしてしまったり、やることなすこと上手くいかない時期がありました。

コミュニティでは、「誰も否定しない」をたった1つのルールとしているのですが、「全然できてないじゃん、私」「なのに、こんなこと掲げてていいのだろうか…」と自分自身も否定する負のループに入って、苦しんでいた気がします。

この時期は、コミュニティのイベントにでるのも申し訳なくて、zoomでカメラオンにすることもできませんでした。

そんなときに、

なつみっくすは、「土」をつくっているんだよ。

と言ってもらい、ハッと初心に帰ることができました。

コミュニティの中で培ってきた「ひとりひとりが個性や可能性を解放できる」場づくり。それは喩えるなら、「土」をつくること。そこには、色々な「種」があって、根が張っていて、たくさんのところから栄養をいっぱい得て、いろとりどりの花が自然と咲いていく。

完璧じゃなくていい。弱さがあるから、助け合える。

一般社団法人の活動では、コミュニティの中に留めておくだけじゃなく、企業にも組織開発として展開したり、じょじょに土が広がってきています。去年からは、大企業向けに長期プロジェクトという形で伴走もしています。

スモールアクションが生まれる「きっかけ」や「みかえり」を作っていきたい

そして、私自身は1年前に新卒から20年勤めた会社から転職しました。

同じIT業界での転職じゃなく、ここまで「複業」でやってきたコミュニティづくり・運営の流れでの転職。

今も会社員と一般社団法人の「複業」をしているのですが、共通する軸になっているのが「ひとりひとりが個性や可能性を解放できる」こと。ここにコミットしていこうという決意での転職でした。

別の言葉でいうと、スモールアクションが生まれる「きっかけ」や「みかえり」を作っていきたいとの想いです。

これは『心理的安全性のつくりかた』の本で言われていることなのですが、すべての行動には、「きっかけ」「みかえり」がある。

たとえば、「きっかけ」とは、
「コミュニティのメンバーがやっているから」
「おもしろそうだから」
「背中を押してもらえたから」など、色々とあります。
これらが行動につながります。

そして行動に対する「みかえり」も、
「ありがとうと言ってもらえた」
「誰かの助けになった」
「他の誰かのアクションにつながった」
「自分のアップデートになった」
「応援してもらえた」など、色々とあります。

私にとっての「良いコミュニティ」とは、この良い「きっかけ」と「みかえり」が循環しつづけている場所

誰かのスモールアクションに対して、
「○○ちゃん、○○してくれてありがとう。助かる!」
「いいね!」
「すごい!」
「ナイスアップデート」
とかの声がけがいっぱいある。
それらが、その人自身の次のアクションのきっかけになったり、別の人のアクションにつながっていく。

誰かと比べるのではなく、自分自身のアクションに目を向けられる。応援し合うことを楽しめる。

決して「上へ上へ」ということではなく、「ちょっとサボる」とかもスモールアクションの1つと思っています。

自分の弱みに気づいたり、弱みをシェアし合えたり、助け合えることも大事。

良い「きっかけ」と「みかえり」が循環しつづけるよう、私ができることをこれからも続けていきます。

1対1という意味では、昨年から学び直しているコーチング。N対Nという意味では、コミュニティや組織開発。学び合いが楽しくなるワークショップのデザインなども、今年は学んで深めていきます。

あと特にこの5年で学んだことやアップデートしてきたことを1つの形として、書籍づくりもしています。
「こんな私が書いていいのかな…」と度々湧き上がる、自分のなかの小さな不安やメンタルブロックと戦い、もがきながら。
1人でも多くの人が、自分の個性や可能性に気づき、それを解放できるといいなと願い、自分ができることに目を向けていきたいなと思います。ちょっとずつ背伸びをしながら!

いつも関わっていただいているメンバーのみなさん、応援してくださっている、見守ってくださっているみなさんに最大限の感謝の気持ちを込めて。

本当にありがとうございます!そして、これからもよろしくお願いします!

もしよろしければ、私たちコミュニティの5周年イベント #HUC5周年祭 が、まだ続いていますので、ぜひご参加くださいませ。
手前味噌ですが、「参加者の方に1つでも気づきを持ち帰っていただきたい」という思いで企画されているので、めちゃくちゃ気づきがあります。

「いろとりどり」のメンバーの想いが詰まった「100人100通り」のセッションの数々、ぜひイベントページだけでも覗いていただきたいです!

このnoteは、コミュニティの5周年を記念してメンバーが「アップデート」をつづる企画です。ほんとに1記事1記事が熱くて、何度も読み返しています。ぜひ1本でも多く読んでいただきたいです!


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