4年越しの木村泰子先生の講演会!「文句」は「意見」に変えられるのか?
「みんなの学校」をご存じでしょうか?
「すべての子供に居場所がある学校を作りたい」という思いで、大阪市にある大空小学校の取り組みが、映画化されました。
映画サイトから引用します。
コロナ禍で「みんなの学校」のことを知り、本を読みました。
公立の小学校でこのような学校が実現できるの!?
とびっくりしたと共に、初代校長である木村泰子先生のお話を直接お伺いしたいと思っていました。
ちょうどコロナ禍ということもあり、2度申しこんでいたリアルの講演会はキャンセルに。このたび、4年越しに木村泰子先生のお話を生で聞くことができました!
前もオンラインでお話をお伺いする機会はあったのですが、目の前で直接お話をお伺いして、心が震えました。何度も涙があふれてきました。
この思いと学びを、書き留めておきたいです。
「文句」と「意見」の違い
印象に残る言葉がいっぱいありすぎて、何から書いていいのか分からないのですが、一番学びになったことから書きます。
私が思ったのは、
「文句」は、人のせいにしている。
「意見」は、自分が当事者として発言、主体的であること。
なんとなく自分でも悪気がなくて、「文句」を言っちゃうことはないでしょうか?
「文句」は対立を生む。でも「文句」を言う人がいるから、豊かになる。社会を変える原動力になる。
どうやったら「文句」を「意見」に変えることができるのか?
このヒントは、すべて講演会での木村泰子先生の言動にありました。
講演会が始まって、どんどん私も含めて参加者のみなさんが自分ごととして考えられるようになって、最後のディスカッションでは、「こんな学校をつくりたい!」「私には○○ができる」という発言が飛び交ったのです。
どうやったら「文句」を「意見」に変えることができるか?
それは、「問いかけ」をすることだと思いました。
どうしても伝えようとすればするほど、説得を試みて、一方的に伝えようとしてしまいます。でも、説得で人の気持ちは変わらない。
この講演会のなかでは、何度も何度も問いかけがありました。
たとえば、
先生だけで丸1日考えても分からないことが、子どもに「どうしたら、いいと思う?」と問いかけをしてみたら1分で答えにたどり着いた、とのエピソードも紹介されていました。
とは言っても、問いかけしてみても、相手が心を開いてくれなかったり、答えてくれなかったり、文句が出てくることはあるんじゃないだろうか…?
木村泰子先生が、相手に「パスしてもいいんだよ」と伝えることも、心を開く1つになるとおっしゃっていたのが印象的でした。
ある定時制の学校で授業をされたとき、なかなか学生さんが顔を上げてくれなかったとのこと。
そのときに、
といったら、少しずつ顔が上がってきたそうです。
学生さんたちが「ここは安心して、自分の言葉で話してもいい」と思えたんだろうなと想像します。
「クソババア」と100回言われても
この講演会ではたくさんのエピソードを紹介していただきました。
その1つで印象に残っていることをシェアします。
子どもに「クソババア」と言われたら、何て言いますか?
私だったら、「そんなこと、言っちゃダメだよ」と言うと思います。
それを木村泰子先生は、100回言われたときに、
と言ったそうです。
そうしたら、その子は不思議そうな顔をしながら、
と言ったそうです。
「ばあさん」と面と向かって言われたら、すごいショックを受けたそうで(笑)
そのまま職員室に駆け込んで、そのことを他の先生たちに話したら
その子は勇気を持って、希望通りのことを言ってくれたんだから、「今すぐ謝りに行ったほうがいい」と諭されたそうです。
そして、
とその子に言ったとか。
それ以来、不思議とその子は「クソババア」と言わなくなったそうです。
木村泰子先生がおっしゃっていたのは、
「クソババア」は対話の序幕。
通訳すると、「これから私の話をするけど、あなたは聞いてくれますか?」という意味だそうです。
ひとりではできない、だから周りの力を活用する
木村泰子先生のお話を聞いていると、
「私には無理だ」とか「そんな寛大な心を持ち合わせてない」とか、思ってしまいます。
「多様性が大事なことは頭では分かる、でも全ての人を大切にするなんて、無理じゃないか」とも思います。
私が救われたのは、
という言葉でした。
もしかしたら、ひとりで背負いすぎていたのかもしれないと思いました。
さいごに、木村泰子先生からいただいたサインを。
サインペンと共にご著書を持って行ったら、なんとご自身の筆ペンを持ってきてくださって、丁寧に書いていただきました。
ひとりひとりに、丁寧に向き合っている姿が身に沁みました。
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