「アート」と「マネジメント」の共通点
「アート」と「マネジメント」の共通点は、何でしょうか?
私は、一言では答えられません。
ただ、山口周さんの『世界のエリートはなぜ「美意識」を鍛えるのか? 』の本がベストセラーとなり、初めてアートとマネジメントは共通点があるのかも? と思えるようになりました。
この本が発売された辺りから、「アート思考」や「アート x ビジネス」 といった言葉もよく聞くようになりました。
運営している母親アップデートコミュニティのなかで、「母親 x マネジメント」を研究する会があり、『<東京大学の名物ゼミ> 人の気持ちが分かるリーダーになるための教室』という本のブックリストから、1か月に1回課題図書を読み、気づきをシェアし合っています。
今回のテーマは「アート x マネジメント」。
毎度ながら、哲学的な問いのもと、メンバー同士で考える時間。
たくさんの気づきがあったので、書き留めておきたいと思います。
こんな尊い時間をつくってもらえて、いつも感謝です。
「アート」と「他者に寄り添う」
今回の課題図書は、「名画を見る眼」。
なんと1969年に出版されている本。
実は私はまだ読めてないのですが、本の概要を引用します。
アートに疎い私には、「なんと、アートを見る方法があったのか!」との思いです。
それ知っていたら、美術館の絵をさらっと素通りしてしまうことが減るかもしれません。
で、今回の問いは、
「えー、どういうこと?難しい・・・」と頭の中が混乱していました。
そんな中、参加メンバーから、
といった話がありました。
ちなみに、アートをお花に喩えるのは『13歳からのアート思考』という本に書かれていること。
私もよく、その人の行動や言葉は見えているけど、その下の根っこの部分は見えてないと思うのですが、それと同じだなぁと。
自分の「メガネ」で見ている世界
他者の見えている部分だけじゃなく、見えてない部分を想像する。
想像力も大切だけど、姿勢のほうが大切?
うーん、頭で分かっちゃいるけど、難しいんですよね。。
このことについて、いろんな意見が出て、おもしろかったです。
共通するのが、自分のメガネ(価値観)で、相手をジャッジしてしまうこと。
自分のメガネで見るのはいいけど、ジャッジはできる限りしたくない。
でも、これまた難しいんですよね。。
話していて、「ジャッジしちゃっているよな・・」と思い当たる節がいくつもあり、心がグサグサ来ていました。
ここでまた、興味深い話がでました。
コテンラジオの「障害者の歴史〜声なき声に耳をすませば〜」と、このラジオの感想として、作家の岸田奈美さんが書かれたnoteのこと。
うまくまとめられないので、詳しくは岸田奈美さんのnoteをじっくり読んでいただきたいです。
人は何かを認知するときに、何か別のものと区別することで認知する。たとえば「猫」を「猫」として認知するときは、「猫以外」のものと区別するように。
つまり、自分のメガネで、世の中を見ることは避けられないし、だからこそ人間として生きられているとも言える。
ジャッジしてしまう自分も、避けられない。
まずはジャッジしてしまう自分を受け入れる。
そのうえで、メガネを複数持てると、いろんな角度から見られるようになる。
私はコミュニティに関わるようになって、いろんな人と接することができました。この研究会での対話のなかでも、参加しているみなさん、それぞれのメガネがあって、それを知れることのありがたさ。
そのメガネを時に借りながら、見ていくことが、他者に寄り添う一歩につながるんだと感じました。
ちなみに「母親」ならではの意見もありました。
この思い通りにいかない経験が、またひとつメガネを増やしてくれるんだなと。
数字と共感のジレンマ
話をしていて、もう1つ問いが生まれてきました。
このジレンマを、あるメンバーが「数字と共感のジレンマ」という何とも秀逸な表現にまとめてくれました。
マネジメントの難しさは、一見相反するものをどうバランスするか。
たとえば、上からは「数字を達成せよ」とのプレッシャーがあり、目の前のチームメンバーに寄り添っていると達成できないリスクがある。
寄り添いたい気持ちが無い訳じゃない、でも仕方なく、、数字に向かうしかない。
話をしていて思ったのは、「この状況がつらいんだよ」との気持ちを、チームメンバーに共有して、一緒に悩んじゃうのもありかなと。
数字を達成しなきゃいけないのは、私だけの目標ではなく、チームとしての私たちの目標であるはず。私たちの課題に向かって一緒に悩みながら、チームメンバーの気持ちに寄り添うよう努力もする。
と言ってくれたメンバーもいました。
即効性はない、短期的に治そうと思っても、難しい。
でも、じりじりと効いてくる。
そして効いてきたら、長く良い状態がつづいていく。
これまた喩えが秀逸すぎて、なんとも学びの深い、土曜日の夜でした。
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