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さくらひらく

 啓翁桜。
 もうかなり咲いている枝が、花束3つまとめて格安で売られていた。
 RITENUTObytacさんによる漉き込み作品を思い返しつつ、フラワーロスには忍びない美しさを持ち帰る。

 ニュースでフラワーロスの話題に触れたばかりだった。それよりも随分と安い。誰かが買わなければ廃棄されてしまうだろうことは容易に推測できた。
 枝先には僅かに葉も出ている。その独特の緑がわたしはとてもすきで、花が終わっても葉のためにしばらく生けておくくらいだ。
 
 少し部屋が明るくなった、これもまたある意味でいまちょうど必要だったのだろうな。残りの花々を分けて生け、花器は3つとなった。見頃を飾れるのだ、むしろこれでいい。これがいい。

なつめ がんサバイバー。2018年に手術。 複数の病を持つ患者の家族でもあり いわば「兼業患者」