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卒業研究制作後日談その1

こんばんは、なつめりおです。

大学の卒業研究制作展が終わりました。

2021年4月から2022年1月まで、「HSP」というテーマと向き合い、180ページほどのエッセイ漫画を描きました。

ここでは、卒業研究制作作品の内容ではなく、作る上で分かったことや感じたことなどをつらつらと書いていこうと思います。

これを書いている今日は搬出作業をしていました。

時間をかけて準備した展示空間が一瞬で消えて元通りの教室になりました。搬入作業より搬出作業の方が楽だという話は知っていましたが、展示期間が儚い夢だったかのように感じて、なんだか寂しかったです。

大変だったけれど、一瞬で終わってしまった。

先輩方が「4年なんてすぐ終わるよ。」とおっしゃっていましたが、本当にすぐ終わってしまったと私も思います。コロナ禍だったこともあって、どうしても3年生の気持ちを引きずったまま卒業研究制作をしているような気持ちではあったけれど、一応立場としては「大学4年生」で、それがもうそろそろ終わろうとしています。早いものです。

制作している時は好きなはずの漫画制作もなんだかしんどくて「早くこの苦しみから解放されたい」と何度も思ったのですが、始まればいつか終わりがきます。高校の時にお世話になった英語の先生が「始まれば終わりますから」と言っていました。まさにその通りで、始まればいつかは終わりがきます。その言葉を胸に、できることをやっていったのでした。

長期的になるほど、スケジュールの管理や見直し、確認や決定等が大事になってきます。分かっているつもりでも、なかなかうまくいきませんでした。何度も何度も理想の計画を立てては破綻し、なんて自分はこんなにダメな人間なのだろうと思いながらもなんとか形にしました。

終盤はほぼ「気合い」でなんとかしてしまったのであまり記憶がありません。もうそんなスケジュールで二度とやりたくありません。

ただ、それでもずっと心に決めていた「卒制では漫画を描きたい」という夢は叶いました。大学入学時からずっとしたいと思っていたことを実行できたことはそれだけ一貫した気持ちが私の中で消えることなくあり続けたからでしょう。きっと。

大学2年の時から4コマエッセイ漫画制作を継続していたという事実もかなり大きな支えになってくれました。あの時生まれたキャラクターが卒制でも大活躍してくれました。ありがとう。

おかげ様で卒制の漫画が来年度のオープンキャンパスでも展示されることになりました(学科で選ばれた22人のうちの1枠です)。今回の卒制でターゲットにしていた高校生にも読んでもらえる機会があるのかと思うと嬉しいです。誰かにとって救いとなる1冊になりますように。

正直、ずっと大学入学時から劣等感がありました。自分が作ったものが何かに選ばれるという経験が大学生になってからほぼなかったんです。

合格者最低点で入学し、"底辺層"でふらふらとしていた私が最後にこうして選んでいただけるなんて、なにかの漫画のオチかなとも思ってしまいました。でも、あまり美談にはしたくないな。過程は全然キラキラしていないですしね。

できないなりにも自分を見つめて真面目(?)にゼミにも参加し、人との対話や経験を通じて少しずつ自分の個性やできることを見つけていきました。

私を全体で見たら何もかも劣っていて醜く見えてしまうけれど、「継続」や「言葉」はおそらく私が見つけた大きな武器です。いろんな人に「いいよね」と言っていただけた部分と自分が苦じゃなくできることを掛け合わせてできたのがこの卒制でした(苦じゃなくできると言ってもやはり考えることは多くて、苦しいことはたくさんありました。漫画だからやり抜けたのだろうとは思います)。

それに気づかせてくれた友人や教授には感謝の気持ちでいっぱいです。どうしても恐れすぎなところはあったけれど、最後に「よかった」とおっしゃっていただけてようやく今までの自分に対して少し前向きな考え方ができるようになりました。苦しめてきた見えない「呪い」はいっぱいあったけど、それが解けてきた気がします。

これから卒制をする後輩の皆さんや制作に悩んでいるみなさんに伝えたいのは「好きなことを見つけて継続していればそのうち大きな何かができる」ということです。1年間(4コマエッセイの制作を含めれば約2年半)通じて自分が出した答えの1つでした。

「なんでこんなことしかできないんだろう」とか「ああいう分野が好きで得意だったらな」とも思いましたが、どう足掻いても結局自分は”自分”でしかないんです。自分が「好きだ」と思う感覚に蓋をするのは勿体無い。その「好き」はきっと誰かにも届くはずです。


2022.01.17

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