苦悩の傷跡 1.美都子
小学校までは歩いて30分ほどだろうか。6年間歩いて通うとなると、幼い自分には少し大層なことだと感じた。雨が降っても、風が強くても、吹雪いても歩いて通っていた。
しかし、4年生になった頃に冬季間のみバス車両通学に変わった。ただその年から雪はあまり降らなかったため、別に大きな喜びというものは感じれなかった。校区のはずれから歩くのも、3年も続ければ体が大きくなることと同時に苦でなくなるものだ。
事実ありがたいことに対しても一々文句をつけるような癖はこの頃からついていたことは否定し難