生後9か月のきみ
「ワンオペ育児」
最近良く耳にする言葉である。1人で育児を引き受けなけれざいけない状況。SNSでそれを嘆くママ達の嘆きを良く目にする。
赤ちゃんと一対一で過ごすのは、確かにしんどい。時々、命の重さに押し潰されそうになる。
うちも、基本的にはワンオペの日々である。
夫はフリーランスで映像制作の仕事をしていて、納品前になると泊まりで作業は当たり前、急な仕事で休みがなくなることもある。夜は遅い。勤務時間がきっちり決まっている訳ではないので、朝の出勤時間が比較的遅いのはメリットと言えるかも知れないけれど、身ひとつで仕事をしているため、風邪もひけない。息子が体調を崩しても、移らないことが優先。息子と過ごすのは圧倒的に私の方が長い。
--夫の不在は心細い。もう少し側にいて一緒に育児してくれたらいいのに。
そんな風に思うことは何度もある。でも、この状況は結婚当初から変わっていないだけ、とも言える。息子が生まれる前、夫のいない日は1人の時間を満喫していたのだ。
夫は不在がちだが、育児に無関心なわけではない。一緒にいるときは、私より丁寧に息子の世話をしている。……たまに世話するからできるとも言えるが、そんなこといちいち言い出すと本当にキリがなくなる。
全て自分に時間もお金も使える独身から、あえて結婚して他人と暮らすのはなかなか大変だ。やっと2人のリズムができてきて、快適な暮らしになってきたところで赤ちゃんの出現は、また生活の仕切り直し。相手は自分では何もできないし、言葉も通じない。つくづく思う。新たな家族を作るのは、より大変な道を選ぶことだ。
息子と適当にご飯を食べてダラダラしながらリビングで過ごし、息子が寝たらフリータイム。大体自分もすぐ寝てしまうけれど。……それもまた楽でいいな。最近、そんな風に思う。
日中は友人と子連れで行ける場所でランチしたり、お茶したり。どこかで食べてもいいし、買って来てうちで食べれば安く済む。みんな平気な顔して子どもを連れているように見えるけど、話すと大抵苦労話が聞ける。解決策のない現状報告でも、聞いてもらって共感してもらうだけでもほっとする。友人でなくてもいい。私は、児童館でスタッフさんに「こんなに活発だと、見ているの大変でしょう」と言ってもらえただけで「そうなんです‼︎ (やっぱりそう思います⁉︎ 私の我慢が足りないとかそういうことじゃないんですね!)」と思い、安心できたことがあった。
子育ての悩みは、家族である夫が一番の理解者であって欲しいが、日々子どもを見ている時間が圧倒的に違うし、気づくところも男女差があるので、私は女性同士で話す方が気が楽だし、共感してもらえて気持ちがすっきりする。夫に話すのはそのワンクッションがあってから、かいつまんで、でもいいと思う。--本当は朝から晩まで大変だったその日の育児を聞いてもらえたら嬉しいけどね‼︎
いつもニコニコして出迎えてもらったら嬉しいのが男性らしいので、ワンオペ育児をしている同士のみなさん、お互い、もっとしたたかに生きましょうよ。だって育児は、長期戦なんだから。
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