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私が子宮頸がんになった話 vol.10 術式の決定

2度目の入院話の前に手術方法は最終的にどれを選択したのかについて触れたいと思う。

開腹手術か腹腔鏡か。その前に子宮は取るか取らないか。かなり重要な選択だ。取ると子どもが完全に産めなくなる、取らなければ転移の可能性があるーー

私は「摘出」一択だった。迷いなく選べたのは、子どもが2人いてこれ以上望んでいなかったから。「そうは言っても万が一できたら嬉しい3人目」という考えが正直なきにしもあらずだったが、ここで完全に諦めた。女性の体に標準装備されているものを取るのは残念だけれど、命には変えられない。私は家族ともっと一緒にいる未来を選択したいと思った。もちろん考え方は人それぞれで、どれも自分が選んだらそれが正しい選択だ。それは、西加奈子さんがご自身の乳がん治療体験を書かれた「くもをさがす」の中で両乳房の摘出の際に乳首を残すかどうか迷ったときの一節から頂いた考え方で、私も完全に同意している。

私たちはどのような状態であっても、自分自身の身体で生きている。何かを切除したり、何かを足したりしても、その体が自分のものである限り、それは間違いなく本物なのだ。本物の私たちの身体を、誰かのジャッジに委ねるべきではない。これからも本物の自分の人生を生きてゆくために、私は自分の、自分だけが望む声に耳を澄ますことにした。

西 加奈子著 くもをさがす

さて、子宮摘出を選んだら次は術式の選択だ。
私は初めから腹腔鏡がいいな〜と考えていた。理由は、vol.7でも書いた通り、「開腹手術は術後が辛い」から。ただ、生存率が開腹手術に比べ低いことや、再発の危険性が高いというデータがあるため、医師からどちらにするか考えてきてくださいと言われていたのだった。

前回の診察後に一点疑問だった腹腔鏡だからがんが取りきれないということは無いことを医師に確認し、現在診察を受けている病院での実績も多いことから腹腔鏡手術を選択した。(ちなみに子宮頸がんの腹腔鏡手術は2018年4月から保険適用になっている)
術式を選択した後、その日のうちに実際に執刀する医師から詳細な説明を聞くことができた。(2時間くらい待ったが、再来院よりその日のうちに済ませたかった!)
私は「準広汎子宮全摘出術」をすることになり、併せて転移しやすい骨盤リンパ節と卵管を摘出することに同意した。卵巣は摘出すると女性ホルモンが急速になくなることで体調不良が起こりやすくなるとのことで、そこは残してもらうことを選択した。

ただ、腹腔鏡を選択したとは言え、実際手術に入ってみてがんが周囲に広がっているなど、予想していた状況と異なる場合は開腹手術に切り替えたり、手術は中止して他の治療法に切り替えたりすることもあることや、卵巣は取らないと選択していても、明らかに取るべきと判断される場合には摘出することがあることも説明を受け、同意した。
術式の選択は、現段階の自分の意向にすぎないのだとわかり、ある意味ほっとした。

ところで、私は告知のとき「腺がん」とは改めて言われなかった。手術についての説明資料を再度確認したところ、手術は「上皮内がん」でも「腺がん」でもステージによって同じ方法なのかなと読み取ることができる。転移しやすいリンパ節郭清(リンパ節を取ること)をするから腺がんだったのかも知れないが、どちらのがんでもリンパ郭清の可能性はあるようなので、結局よく分からない。(ちなみに私の場合は、手術後の病理検査でリンパ節転移は確認されなかった)
ステージ確定後は、医師から提案されている治療を受けていくべきと考えていたので、正直私の中で腺がんかどうかはあまり問題ではなくなってしまい、聞くのをすっかり忘れてしまっていた。
すでに今更かつだいぶ先になるが、次回の診察で聞いてみようかなと思っている。
※後日改めて確認したところ、最終診断も「腺がん」でした。

手術日、術式が決まり、医師からの説明を聞き、併せてその手術が臨床試験になることにも同意。

次回こそ入院と手術の話になります。



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