見出し画像

私が子宮頸がんになった話 vol.15 退院、そしてその後

術後5日目の午後、ようやく残尿が3回連続50ml未満を達成した。お通じも少しずつ始まった。退院の条件に達したので、最短で帰れる翌々日での退院をお願いした。元々は5泊6日の入院予定だったが、術後、執刀医からさくっと入院延長を告げられた。自分から希望しなければさらに延びそうだったので、そこは強めにお願いした。看護師から抜き打ちで行われる”リンパ浮腫クイズ”も、もらった資料を再確認して回答できるようにしたし、できる限り廊下を歩いて身体を早く回復させることに努めた。子ども達のことはある程度段取りして出てきていたが、私の退院の日が延びたことで、子どもの世話をする人の予定も変わり、内心かなり気掛かりだった。そのため退院前日の夜はなかなか寝付けず、朝を迎えた。


明けて翌日。朝食を終え、荷物をまとめ、久しぶりに着てきた服に袖を通す。なんとなく左脚が張っている気がしたが、看護師達にお礼を言って病棟を後にした。お会計を終え、家族が待つ車寄せに出る。

1週間ぶりの外の空気は残暑の厳しさが感じられた。まだこんなに暑いんだ…と思いながら家族と再会。子ども達を抱きしめて車に乗った。


帰宅途中から脚のむくみを感じ、家に着くと左脚がむくんで張っていた。ワイドパンツの片脚だけがぱつんぱつんな状態で片脚だけ重みを感じる。入院中も少し気になっていた左脚だ。同じ姿勢でいたからかも知れない。早速病院でもらった資料を見ながらセルフドレナージを実施した。リンパ浮腫は、リンパ節を取った者にとっては常に隣り合わせの症状なのだ。…あの何度も繰り返された”リンパ浮腫クイズ”も納得がいく。

自宅に戻ってからは、病院にいたときのように平坦な場所で安静に過ごすことはなかなか困難だった。極力気をつけてはいるものの、どうしても避けられない階段の上り下りや幼児の抱っこ、買い物の荷物を持つこと等。少し動くとすぐ脚が張り、休み休みでないと動けない。執刀医は「腹腔鏡手術ならわりとすぐ動けるようになる」と言っていたものの、さすがに退院翌日から今まで通りにはいかないのだと思い知った。仕事は退院の翌週から在宅勤務で少しずつ再開。早めに終えて、保育園へも混む時間帯を避けて車で迎えに行った。

極力締め付けのない服を身につけ、脚の張りが気になる日中は、家にあったフットマッサージャーを使用した。病院で術後着けていたような空気圧式で、使用した後は脚が楽になった。(使用は自己責任でお願いします)夜は良く夫にドレナージしてもらって寝た。排尿は、入院中に残尿確認をクリアしたものの、やはりすぐ元通りとはいかず、尿意を待たずに定期的にトイレに行くことを心がけた。以前に近い尿意が戻ってきたのは退院して5日後くらいで、その後半年経った今でも若干尿が出づらい気がしている。

脚の張りに不安を感じながらもドレナージを続けていると、退院から2週間経つ頃には少しずつ解消され、今は脚の張りを感じることはなく、元通りに動けるようになった。ただし、疲労感を感じるほど動いた日は脚のむくみを感じるが、それは手術する前も同じだ。

やはり何もかもが今まで通りとはいかない。

次回は、術後変更したモノ・コトについて書きたいと思う。

サポートありがとうございます!  より良い情報を発信できるよう、頂いたお金は大切に使わせていただきます。