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11月の同人誌の長々とした後書き

こんにちは那月です。
この度は拙いながらも頑張って描いた本を手に取っていただきありがとうございました…!

以下は自分の備忘録がてらと本の後書きに描ききれなかった話です。
長い後書きを読むのは好きですが私自身文章を書くのが不慣れな為読みにくいなあと思われたら申し訳ないです。
言うまででもないですが本の内容のネタバレが有ります。




表紙・タイトル・使用ブラシ素材


表紙は私が絡みの構図がヘッタクソと言うのもあるのですが二人の関係性の話なので同じ方向を見ている二人にしました。

また今回はやったことない事や、やってみたかった事をせっかくなので全部してみようと思い、表紙デザインとタイトルロゴ、箔のデザインをダダとド様(@dada_to_do)にお願いいたしました。

デザインをお願いするにあたり表紙イラストに早めに着手し、初めて使う印刷所の為どのぐらい色が出るか不明だったので薄緑系で統一、K先生はどうしても絵面が真っ黒になりがちなので富永先生に白衣を着てもらってK先生には青寄りの色、富永先生の髪の色に若干茶色とネクタイの赤を入れて対象になるように意識、あんまり重い印象にならないようには調整したつもりです…

表紙案 採用は左下の物になりました


どのようなデザインがいいか、またデザインするにあたって作品の雰囲気の確認で本文の提出、どのような要素を入れたいかのヒアリングを行い、荒れた海と雨、荒れているけれど綺麗な印象、波と一つだけ見える星でのイメージでデザインの発注をお願いしました。(荒れ4:綺麗6の割合)

荒れた海の中、嵐の中でも見失わない凛とした二人の素敵なデザインを盛り込んで下さったダダとド様に感謝してもしきれないです。
素敵なデザインを頂いてから大興奮しながら何度も眺めています。


何度でも見たくなる最高デザインを見てくれや



印刷所については今まではほぼ栄光さんを使っていたのですがX(ツイッター)のアカウントを作った頃からの長年のお友ギャルド(K2も読んでくださって富Kと譲テツにはまってくれたのでBIGKANSYA)からブロスさんはグレスケが綺麗に印刷に出るぞと熱いおすすめを貰っていたのでブロスさんの用紙サンプルや箔押しサンプルを貰いに行きました。
お友ギャルドのブロスで作った本を読み返していてモンテシオンの触り心地と捲り心地が良〜良良になったので
表紙の紙はジェントル、本文用紙はモンテシオンを使用しました。

箔の色は絶対にこの色を使いたい!!とサンプルをペラペラ見ていて一目惚れした色だったので初めての箔押しを気に入った色でする事ができて楽しかったです。
普段から塗りを水彩一本で割と済ませてしまうので今回はトーン化はせずにグレスケ一本で作ってみました。新刊で実験すな!

また、タイトルについてはずっと富Kで本にするならポラリスがいいなあと考えていた事と、冒頭の嵐の中富永が見た星のイメージから引っ張ってきました。
また原稿中息抜きでTLを遡って他の方が本の内容と似たような萌語りをされているのを見てオ゛ッヤッベ(パクリだと思われるかもしれん)となった覚えはあります。
すいません。

使用ブラシ・素材は有償無償の混在ですが主線に”自分用漫画ざらつきペン”
カケアミやちょっとしたベタの削りに”まるめのかけあみ”
星などの光に”ぱちぱち光ブラシセット”を使用しました
自分用漫画ざらつきペンがいい感じだったので今後もこれを使いたいなという気持ちと他のブラシも開拓したい気持ちがどちらもあります

https://assets.clip-studio.com/ja-jp/detail?id=2003228



嵐の中



基本的に自分は色んな話を描きたいな〜で結果短編集が出来上がってしまうのですが今回の富K本もそうなりました。
この世界の片隅にが好きなので短編一個一個が長い話に掛かってくるのが好きなんですね…

今年の5月に別ジャンルの本を脱稿して以前から仕事の休憩中や通勤中に考えていたこんな富Kの話を描きたいというアイデアをスマホのメモに書き溜めていたりしたのでネームやプロットにはそんなには苦戦しませんでした。

ただ構成上この話は入れておきたい、が積み重なった結果こんなにページが多くなったのは自分でも予想外でした。

想定ページ数が思ったよりも膨らんだこともあり、新刊を落として寂しい机にならないように余裕を持って5月から早めに取り掛かり並行で寄稿の申込をさせていただいたアンソロ原稿の作業を行い、9月の頭に脱稿しました。

脱稿後、ゲームをしたかったのもあるのですが数日は寝かせて後で全ページ見直し、入稿までに物足りないな…と思った所はちょっと書き加えたり直したりしています。
寄稿させて頂いたアンソロについては描いてる時期がバラバラの為書きなれてない感が出てしまっていて申し訳ありません。
どのアンソロの原稿も自分なりの萌えを詰め込みました!


冒頭の海と富永を描く上で自分が瀬戸内海方面在住の為、荒れている海ってどんなのだ…?とあまり想像が付かず、説得力のある画力もそこまでないので苦戦しました。

夢の中って突拍子もない事が起きるので海の上に立って平然と富永に手を差し伸べる一人先生を描くつもりでしたが別の所に力を入れた方がいいのでは、と手だけの方が印象的だよね…で泣く泣く手だけを描きました。

手だけ描いてもアームバンドでちゃんとK先生って分かるからいいですね。ありがとうアームバンド

よく分からない夢の話から始まって時系列も順番もバラバラですが最終的に最後の長尺の話に掛かってくるようにできたらな〜と構成を頑張りました。


素材ブラシで波を描いて水彩で線を入れてぼかしてを繰り返しました。
ちゃんと富永がいるのが分かるように描くのと荒れた海を両方入れるのって難しいね


ありがとう、アームバンド


諸々の話


先生服買いに行こう!日向ぼっこもして!
富永医院行こうぜ!ついでに瀬戸先生も描きたいね!!オラッ院長を甘やかすんだよ!と
富Kには色んな事をしてほしい〜で詰めに詰めて描いちゃいました。

個人誌では初めてキスシーンと間接的な事後シーンを描いたような気がします。
今まで個人誌では心の触れ合いとかそんなのばっかりしか描いてこなかったので…

前から行間を探る本ばかりを描いていたのでK2は行間想像し放題で嬉しいですね
村井さんや瀬戸先生で久々に髭を描けて嬉しいです。
みんな髭や体毛がないから早く描けるんですがやっぱり毛を描くのは楽しいです!

当初はK先生と瀬戸先生の会話のシーンもプロットにあり、会話の内容も考えていたのですがそれ富永に直接言うたれ!と心のノブが叫ぶのでボツにしました

また、すみさんともくりでお話させて頂いたおしゃれ着用洗剤でマントを洗濯する話も書けて満足しています…K先生のあの体格だとマントも大きそうなので洗濯とか本当にどうしているのか気になります。

桜のシーンや木陰の下で日向ぼっこする二人や診療所の外観、内観の参考に素材を使用させて頂きました。(冒頭の波の一部も…)
素材の製作者さんには大感謝です。



嵐の外、星を掴んだ男



K先生ってフットワーク思ったより軽いよね、知識のアンテナめちゃめちゃ張ってるし…富永がいなくても大丈夫だったんじゃないかな…?いやでも考えたら全ては二人が出会ってから始まって富永が村に来ていなかったら今のK先生はなかったんじゃないかな…という自分なりの解釈で描いた話です。

プロットを書き起こしていて富永がいてくれたから、という構成に説得感を出したくてこの話を描くに辺り他の短編の話を前に持ってきていました。

富永にとっての嵐の中で見える星がK先生だったならK先生にとっての富永は見えなくても確かにそこにある物だろうな…と思います。
この辺は本での後書きでも書いたので割愛します。
(公式で言いたい事を全て言われちゃって爆笑しながらnoteと同人誌のあとがきに追記しました。
おおむね公式と一致していて良かったです)


互いが互いにとってかけがえのない大切な存在であることを
対比で描いたつもりのコマです
バディっていいよね…




舞台袖のK先生とKEI先生のコマはFGOのCMの文言で彼らはあなたの到来を静かに望むってフレーズにいいな…と思ってねじ込みました
ドクターKの再来を待っていたKEI先生と村の外から変化を連れてきた富永を待っていたK先生、表舞台へ出る時とのダブルミーニングのつもりです。

若いころは相当ヤンチャしてたKEI先生の事がもっと知りたいので
ドクターK、完走しないとな~と思っています
(SDKも完走してないのでそっちも読み進めたいです)


富永へ手を差し伸べるK先生と縋る富永はFGOのメモリアルムービーからの着想でした。
後は宗教画をイメージして…神様はこっちの方なんて見てくれないだろうな…と思っているのでK先生は目を伏せています。
周囲の枠には星の意匠と十字の意匠をそれっぽく描きました。


多分印刷で表情の細部はつぶれるかな…と思ったので供養
一番いい感じに描けた表情では?と自分でもお気に入りです


嵐の外から離れて富永の事を思う先生の事を絵を眺める先生のイメージで描き、ランタンを持つ富永はナイチンゲールがイメージです。
ゴーストアンドレディが好きだから…劇団四季の舞台化超楽しみですね…

後は原稿中にK先生が帯コメントしてたな〜で無料公開されていた高度に発達した医学は魔法と見分けがつかないを読みまして、目の表現をもう少し力入れるか…で力を入れました。
こいまほ、おすすめです(ダイレクトマーケティング)

ランタンはデモンズやダクソとかの暗所の探索で使用する未知を行くイメージが個人的に強いです。
アーマードコア新作ありがとうフロムソフトウェア



頭上の星と手の中の星と、嵐の大海から布団の小さな穏やかな海で語らう二人の対比を付けて終わりにするか~と当初は考えていたのですがなんかもうちょっとだけ描きたい話が膨らみました。
あと3ページくらい続くんじゃ



海辺にて、冬の終わり


当初は先述の長尺の話で終わる予定だったのですが
冒頭で荒れた海から始まったのでじゃあ穏やかな海で終わろうか、でほぼアドリブで付け加えた話です。蛇足かな…とは思いますがすいません。

エンディングの後のCパートは嬉しい派です。
ゲームのネタバレになってしまうんですがデス・ストランディングのスタッフロールED後でルーの名前を呼ぶサムが好きなのでそれっぽくなってしまいました。

WEB掲載分の描き直し収録は元々気に入ってた話でもあるのですがエピローグのこの話を追加する上での数合わせとキリ良く60ページで終わろうか…での数合わせです。

脱稿を早めにしたのでページをもう少し追加できる余裕はあったのですがこれ以上ダラダラ短編をこれ以上載せてもな…と思い60ページで納めました。

あの吹雪の中で富永に差し伸べられたのはK先生の手だったけれど村で過ごす中、K先生が富永に手を差し伸べられていた関係性が好きなのと富永目線の話が多かったのでじゃあK先生側を描こうかなで描き、冒頭の嵐の海で着ていた富永の服とさり気なく同じにして今度は富永からK先生に手を差し出して富永の手を取る先生で締めさせて貰いました。
対比とリフレインが大好きだから…ついつい海辺を描いてしまう癖

K先生が一人で頑張っていた時間も肯定したいですし、過去は変わらなくても二人ならどこまでも行けるだろう、行ってほしいという自分なりの希望と祈りです。
もっと色んな事エンジョイしてくれK先生

一人先生はアルトリア…!と言い聞かせてラフから切りました 士郎との別れのシーンが好きです
表情を描くのが好きなんですがK先生の表情はめちゃめちゃ気を使いました。表現が難しい


また、今回は無配のポストカード絵柄を当日まで伏せさせて頂き本を読んだ後で味わい深くなればな〜と頑張りました。
海辺描き過ぎでは?と思いつつも好きだから許してください。

今回アンソロ寄稿を含めると描いたものが70ページ近くになり今まで活動してきた中でこんなに沢山描くのは初めてだったので本を脱稿して疲れた…という気持ちと描き切った達成感がありますがもうこんなに沢山描くのはこりごりだよ〜!という気持ちもあります。

年明けから原稿漬けだったのでインターネット落書きマンに戻って休んだら次はカップリングなしでの日常の短編とかWebに上げた富Kの話を描き直して本にしたいな…と思っているので(牧村先生と瀬戸先生や譲介と一人先生とか…SDKからの人達も描きたいです)
次のイベントはまだ未定ですがまた本を出した際には手に取って頂けたら嬉しいです。


長々とした文章で補足しなくて済むようにもっと漫画や絵が上手くなりたいですね。ツヤベタも絵柄と合うか分からないですが練習したいです。

同人人生の中で箔押しをする、40Pの大台を越える分厚い本を出すという実績は解除したので後はR18本だけですかね…富Kでお初したいです。
拙い乱文並びに同人誌を読んでくださりありがとうございました。

本を頒布して誰かの手に取られた時点で自分の手からは離れて読まれた方の分だけ受け取った印象や解釈はあっていいと思っているので感想又は感想が上手く書けないよ~って方はこのコマが好き!の一言や
スタンプだけでも押して頂けたら次回も頑張る活力になります。
本当にありがとうございました。

2023.11 那月 拝



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