#01 宇宙の果ての…

 私、宇宙パトロールのルル子。

 宇宙パトロールというのは名前の通り宇宙をパトロールする役割みたいな感じで、母星が宇宙のどこかにあってそこに長官――オーバージャスティス元司令官が居るわけだけれど、結局私はそこに行くことはほとんどない。だって私は、あの人を追い求めているのだから。

 ぷーぷー。

 そんなことを言っていたら通信が入った。宇宙パトロール特製のスマートフォン。バイク型宇宙船でも通信が簡単にできるように、とお父さんからもらったのだけれど、私はこれをうまい具合に使えている。だって、運転中に結構電話かかってくるし。

『おはよう、ルル子くん』

 相手は司令官――いや、正確に言えば長官だった。

「長官……ですか? いったい、どうしたんですか。いつもは電話なんてしないじゃないですか」

 司令官が長官に上がったことであまり話をすることがなくなった。オギクボ支部の皆が活躍していることは私にとってもとても嬉しいことなのだけれど……。

『うむ、実は……。ナッシング星人を見たという通報があってだな。それがノヴァくんのものかどうかは解らないが……』

 ナッシング星人……ノヴァくん!?

「司令官っ! それっていったいどういうことですか、情報を教えてください!」

『う、うむ。あと、私のことは司令官ではなく長官と呼びたまえ、ルル子くん。……ナッシング星人はいまルル子くんがいる座標から南に七百いったところにあるオギクボにいる。いいか、ルル子くん。これはあくまでも通報によるものだ。絶対に仕事と私情を間違えないことだ。それなら、ジャスt』

「ありがとうございますっ、長官!」

 通話を切って、私はハンドルを握る。

 ナッシング星人……ノヴァくんじゃないとしても、もしかしたら何か知っているかもしれない!

 そう思って、私は長官に言われたその場所へと……バイクを走らせるのだった。

 続くっ!

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