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#6 演劇と花束
風の丘ガーデンでの研修6日目。
と言いつつも、今日は「寄せ植え」と呼ばれるフラワーアレンジメントを経験させてもらった。
花を知るならまずは生産現場から!と意気込みつつも、チラチラと気になっていた花を使ったクリエイティブな作業。
「やってみたいなあ」と心の声が漏れていたのかもしれない。突如、「おばあちゃんにあげる寄せ植えを作ってみな」と言われて大歓喜。ちょうど終業後に宮崎市内に住む祖母の家を訪ねる予定だったので、良い土産になると意気込み、挑戦してみた。
1.寄せ植えとは
一つの植木鉢の中に、さまざまな種類の花苗を‘寄せ’集めて植えるガーデニングの手法の一つ。
複数の植物を組み合わせることによって、より華やかさを出したり、繊細で複雑な雰囲気を表現することができる。
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2.花選び
寄せ植えにとって最も大切な花選び。
風の丘ガーデンのショップコーナーにて、ピンとくる花を探しに行った。
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種類は体感でも約50種類。同じ種類の花でも形や成長具合、色味も微妙に違う。その中から「これだ!」と思う花を選ぶために、自分の感性を研ぎ澄ませていく。
そして選んだ花はこちら。
ラベンダー
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イベリス
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オステオスペルマム
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バコバ(ステラ)
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祖母は紫が好きなので、ラベンダーは外せない。
同じ紫でも春らしい明るい紫のバコバ、白の器に映えるように黄色のオステオスペルマムと個人的に可愛いと思った白のイベリスを選んだ。
3.リーフ選び
これが最も頭を悩ませたのだが、実はフラワーアレンジメントにおいて重要なのはリーフ選び。主演が花ならば、横で作品を支える助演のような立ち位置だ。
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茎が長いもの短いもの、葉が個性的なもの、色も深い緑から真っ白なものまで多種多様。その中で私が選んだのはこちら。
ヘデラ(ゴールデンチャイルド)
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ワイヤープランツ
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ヘデラは形と色味、ワイヤープランツは動きが激しいのが気に入った。
4.寄せ植え開始
熟考に熟考を重ね、選んだ花とリーフを寄せ植えていく。
器に入れる前にシュミレーションし、配置を決めていった。
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花の形を崩さないように、空間を詰めていく。
茎の生え方や葉の動きを意識し、自分の感覚に沿って花を植えていった。そして完成したのがこちら。
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うん、悪くは無いんじゃないか?
とりあえず納得できるものができたので良しとしよう。笑
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祖母に渡すのが楽しみである。
5.演劇と花束
初めてのフラワーアレンジメントは本当に楽しかったのだが、この魅力を言語化してみると、3つ挙げることができた。
・多様な色と個性的な素材を使った表現活動
・絶対に同じものを作れない一品もの
・ずっと保存できない儚さ
余談だが、先日、役者時代にお世話になった劇団の座長と電話をした。
相変わらずコロコロと変わる境遇を報告し、互いの悩みを共有し合う中、演劇と花ってなんか似てるよねって話になった。煌びやかな衣装や舞台や照明、個性的な役者を使って表現するのが演劇だか、その特徴は何と言っても絶対に同じ公演を打てないその場限りの芸術だということ。映像でも観れるが、実際に生で観劇しないと伝わらないリアルな体験だということ。そして、ただ人の心に作用するだけの営みだということ。役に立つ、とか合理的、とかからかけ離れた非合理なもの。そんな演劇が好きだったんだから、花も好きになるかもねって話になった。
たしかに、今回作った寄せ植えは何の役に立つかと問われればなんて答えて良いかわからない。けど、自分の「何か表現したい!」という心が満たされたこと、祖母が喜んでくれること、なんかこれだけで十分じゃないかな?と思ってしまった。
不器用な生き方かもしれないけど、こんな非合理な感動を大切にしていきたいな、と思う今日でした。
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