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【五輪】パリ2024 大会3日目・お茶の間観戦記

フェンシングの試合を観終えて今朝5時半過ぎにベッドへ潜り込むと、一瞬覚醒した夫から「たくさん観られた?」と訊かれました。

「金3個、銀2個観たよ」
「頑張ったね」

私のオリンピック観戦を応援してくれる人と結婚してつくづく良かったです。
洗濯機を回しながら3日目のハイライトをお届けします。


柔道男子66kg級

東京大会で「兄妹同日金メダル」を成し遂げた阿部一二三ひふみうたには今大会も連覇が期待されていました。
ところが。

女子48kg級の2回戦で、妹・詩がまさかの敗戦。
呆然としたまま畳を降り、コーチに抱えられながら泣き叫びます。
自身への怒りと悲しみに満ちた、暴力的とも言える痛々しい叫び声が会場中に響き渡りました。

何故もっと警戒しなかったのか。
何故隙を見せたのか。
何故、何故、なぜ…。

その姿を練習場でモニターから見ていた兄・一二三は「すぐに抱きしめてあげたかった」と語りました。

妹の分まで絶対に勝たなければいけないという決意を胸に、しかし冷静に試合に臨みます。

迎えた決勝の舞台。
畳に上がった彼は、相手に「この人には絶対勝てない」と思わせるような空気を纏っていました。
技ありからの合せ技一本で完勝。

スタンドから見守っていた詩が歓喜の涙を流す中、一二三は笑顔で観客に応えました。
日本一、いや、世界一カッコいいお兄ちゃんです。


スケートボード女子ストリート

日本から出場した3選手は全員予選を通過し、決勝の8人中3人が日本人。
層の厚さが凄いです。
結果は吉沢ここ選手が金メダル、赤間凛音りず選手が銀メダル!
特に恋選手のメイク決定率(技を決める確率)は群を抜いて安定感がありました。

中山楓奈ふうな選手は、5回の試技がある「ベストトリック」で1回もメイクすることが出来ず、7位入賞。
彼女は東京大会で銅メダルを取っている実力者です。
今のスケートボード界のレベルの高さを改めて思い知らされました。


サッカー女子グループステージ・ブラジル戦

スタメン発表を見て目を疑いました。

私のあおばがいない…。

先のスペイン戦で素晴らしいフリーキックを決めた藤野あおばがスタメンから外れるどころかベンチ外に。
戦力的にも彼女を外すことはありえないので、怪我もしくは体調不良なのでしょう。
心配です…。

日本は田中美南みなが積極的にゴールに迫るものの、相手GKにことごとく防がれてしまいます。
後半11分、ブラジルに先制を許し0-1。

決定機を作れないまま時間だけが過ぎていきます。
すでに1敗している日本は、もし負ければ2敗となるためグループステージ突破は絶望的です。

ここまでなのか…。
嫌な空気が漂い始めた終了間際、日本がPKを獲得。
監督はキッカーに熊谷紗希を指名しました。

最後の最後、土壇場で掴んだチャンスをキャプテンに託したのです。
試合後のインタビューで彼女はこう話しました。

「仲間からの『紗希さんお願い』という思いを背負った。みんなの気持ちは分かっている」

長めの助走から落ち着いてシュートを決め、1-1の同点。
ギリギリのところで試合を振り出しに戻すと、途中出場の谷川たにかわ萌々子ももこがスーパーゴールとも呼べるロングシュートで2-1。
土俵際まで追い詰められながらの見事なうっちゃりを決めて逆転勝利です!

得失点差も関係してきますが、次のナイジェリア戦に勝てばグループリーグ突破がほぼ確実となります。
なでしこの夏はまだ終わらないぞ!!


競泳男子400m個人メドレー

初出場の18歳、松下知之選手が銀メダル!
本番の舞台で自己ベストを1秒以上更新するという強心臓ぶりを見せつけてくれました。

瀬戸大也選手は後半失速し、7位。
ここ数年で紆余曲折あった彼を「自業自得」と見る人もいますが、それでも競泳に真摯に取り組んで努力を続けてきたのは事実です。
200m個人メドレーに期待しましょう。


フェンシング男子エペ個人

フェンシングで日本が初めてメダルを手にしたのは2008年北京大会、太田雄貴の男子フルーレでの銀メダルでした。
あれから16年。
日本は強化を続け、世界大会でも強豪国と互角に渡り合えるまでに成長しました。
そしてついにこの日がやって来たのです。

男子エペ個人決勝戦。
会場はフェンシング発祥の地であるフランス・パリの中心にそびえ立つ、見惚れるほど美しい「グラン・パレ」。
相手は開催国フランスの英雄ボレル。
これ以上無いほどの大舞台に、世界ランキング3位の加納虹輝こうきが立ちました。

場内は完全アウェーで異様な熱気に包まれています。
誰もが英雄の勝利を願っている、確信している。
そんな空気を切り裂くように加納が先制しました。
果敢に攻めてくる相手に対して、世界屈指のスピードと謳われるカウンターが次々と決まります。

徐々に会場の雰囲気が変わり始めました。
「英雄が負けるわけがない」という楽観的な空気から「あ、この相手強いわ。勝てないわ…」という戸惑いに。

終始ボレルを圧倒し、15-9で勝利。
日本フェンシング史上初の個人金メダルです。

試合後、真っ先にコーチに飛びついて笑顔で抱きかかえられる姿に自然と涙が出てきました。
加納選手本当におめでとうございます!


大会4日目の予定

アーチェリーと体操の団体戦があります。
フェンシング女子サーブルには世界女王・江村美咲が登場。
4時とか5時の試合本当にキツイんですけど頑張って応援します!


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