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【五輪】パリ2024 大会4日目・お茶の間観戦記

記事中の選手名の表記についてですが、あえて敬称略を統一していません。
自分の中で「〇〇選手」と書きたい場合と、フルネームのみのほうがしっくり来る場合とがあるので。
全てのアスリートに敬意を持っていますのでどうぞご了承ください。

さて波乱と歓喜に満ちた大会4日目のレポをお送りします。


総合馬術団体

ベルサイユ宮殿で行われた馬術競技で日本が銅メダル!
すいません完全にノーマークでした…。
勉強不足のため馬術に関しては全くの素人ですが、日本が馬術でメダルを獲得したのは92年ぶりだそうです。

前回のメダルは1930年ロサンゼルスオリンピックで西竹一たけいち陸軍大佐(戦死により進級)が獲得した金メダル。
映画「硫黄島からの手紙」で伊原剛志が演じた、あの西中佐です。
歴史を感じますね。


フェンシング女子サーブル個人

その速報が飛び込んできたのは夕食の片付けをしている時でした。

「江村美咲3回戦敗退」

嘘でしょ?
世界女王だぞ?
ランキング1位だぞ?

彼女は金メダル候補であり、大方の予想でも「最低でも銅は取れる」と見なされていました。
私自身も「準決勝までは絶対に上がってくるだろう」と考え、3回戦を見ずに他のことをしていたのです。

今大会では日本選手団の旗手を任され、周囲からの期待によるプレッシャーもあったことでしょう。
ゆっくり休んで欲しい…と言いたいところですが、女子サーブルはこの後に団体戦が控えています。
果たして気持ちをどこまで立て直せるか…。


スケートボード男子ストリート

東京大会から採用されたスケートボード競技、ストリート種目の初代王者となった堀米雄斗。
彼は今年の春、苦境に立たされていました。

オリンピックに出られるのは国内上位3選手のみ。
しかし彼は選考レースで思うようなパフォーマンスを発揮できず、日本人選手の中で4位の位置にいたのです。
日本は若手の台頭が凄まじく、女子では同じくストリート種目で前回金メダルだった西矢もみじが国内争いで脱落し、出場すら叶いませんでした。

このままではオリンピックに出られない。
連覇の夢が途絶えてしまう。

最後の選考シリーズでギリギリ通過し、なんとか五輪の切符を手に入れて臨んだ今大会。
けれど決勝の舞台でまたしても追い詰められることになります。

5回あるベストトリックの内、1回目は成功したものの2回目以降は失敗が続き、ついにラスト5回目。
ここで94点以上を出さなければ銅メダルにも届きません。

「死ぬほど練習してきた」

そう自分を信じてトライした「ノーリーバックサイド270ブラントスライド」(解説は割愛しますがとにかく難しい技)を綺麗に着地させ、なんと97.08という驚異の数字を叩き出したのです。
7位からの逆転金メダル。

目標だった2連覇を達成した王者。
「スケートボードの技は無限にあるので満足したら終わり」と話す彼は、これからも高みを目指し続けます。


体操男子団体

体操男子のエース・橋本大輝には夢がありました。
それはオリンピックの団体で金メダルを取ること。

前回出場した東京大会で「個人総合」と「鉄棒」の2冠に輝いたものの、団体では僅差で銀メダルとなったことが心残りでした。
パリでは必ず団体で雪辱を果たすと誓っていたのです。
ところが。

今年5月、練習中に怪我をしてしまいます。
診断は右手中指側副靱帯損傷。
すでにオリンピックの出場権は得ていましたが、本番まであと3ヶ月もありません。

不安の中迎えた団体戦予選。
怪我明けの実戦ということもあり、橋本大輝は不安定な演技が続きます。
それでも団体メンバーは笑顔を絶やさずエースを励まし、ついに決勝当日。

彼らは「絶対に諦めない」を合言葉に6種目の競技に挑みました。
たとえ橋本大輝があん馬で落下しても。
谷川航が跳馬で失敗しても。
誰ひとり最後まで諦めませんでした。

そして最終種目・鉄棒。
この時点でトップに立っていたのは中国で、日本に3点以上の差をつけていました。
鉄棒は日本の得意種目であり、対する中国はやや苦手としています。

日本は全員が安定した演技を続ける中で、中国選手のひとりが2度も落下してしまいました。
大きな減点となった中国は得点を伸ばせず日本が大逆転。

諦めずに全員が最善を尽くしたからこその栄冠です。


大会5日目の予定

BMXフリースタイルに中村輪夢りむが登場。
そして色々あった体操女子団体も決勝に進みました。

フランス領ポリネシア・タヒチ島で行われているサーフィンについて。
天候によってあまりにも波が高いと危険なため、当日になって中止される場合があります。
昨日は悪天候に見舞われながら男子の3回戦は行われましたが、五十嵐カノアは残念ながら敗退となりました。

その後、選手の安全を考慮して女子の3回戦は延期に。
日本とタヒチは時差17時間なので(日本の30日15時はタヒチの29日20時)現時点でまだ女子の予定は分かりません。
日本の稲葉玲王は男子の準々決勝に進出したので一応予定に入れましたが、現地の天候次第となります。


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