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ルーブル美術館展に行ってみた

国立新美術館で開催中の「ルーブル美術館展・愛を描く」を観に行ってきました。

3月から開催している展覧会。
noteは美術好きな方も多いので、すでに鑑賞したフォロワーさん達のレポをフムフムと読みつつ、なかなか行けずにいたのです。
何故なら今回の展示は、誰でも知っているような画家の作品が少なかったから。

私の勉強不足もありますが、ドラクロワぐらいしか知ってる画家がいないぽかったので、楽しめるかどうか不安でして。
そんな折、夫から「ルーブル美術館展行こうよ」と誘われたので重い腰を上げたという次第です。

先に結論。
めちゃくちゃ良かった!


国立新美術館

乃木坂駅直結、六本木駅からもアクセスの良い美術館です。
設計は黒川紀章。
そういえば昔、都知事選に出馬したこともありましたね。

公式ホームページより

常設展を持たないスタイルで、会期を設けて展示会企画・運営をしています。

事前にオンラインで日時指定予約のチケットを取っていたので、すんなり入れるぜ!と乗り込んだのですが。

100人以上並んでて笑いました。
館内の人数制限の関係で、チケットを持っていても列に並ばないといけない、と説明を受けます。

いや事前予約の意味よ。
なんかこう、ディズニーのファストパス的なやつだと思ってたんだけどな!

気持ちが萎え萎えになりながらも、仕方ないので並びます。
多分20分ぐらい待ってようやく中へ入りました。


様々な愛の形

「愛」をテーマにルーブル美術館から来日した全73点は見応えたっぷり。
男女愛・家族愛・神への愛に同性愛まで盛りだくさんです。
中でも印象的だった作品をいくつかご紹介します。


シャルル・メラン「<ローマの慈愛>、または<キモンとペロ>」

若い女性が老人に乳房を与えている謎の絵画。
実はこれ親娘おやこです。

餓死の刑に処されているキモン。
その娘・ペロは父を助けんと看守の目を盗み自分の母乳を与えます。
なんて献身的な行為なんだ…!」と心を動かされた看守たちにより、キモンは無事解放されたのです。

解説

現代の感覚で考えると「うへぇ」ですが、親子愛は人気のあるテーマだったので、この「ローマの慈愛」もルーベンスなど多くの画家によって描かれました。

メランの描くペロの表情からは「絶対に父親を助けるんだから!」という強い意志が感じられます。

父の為なら乳をも吸わせる。
それが愛なのでしょうか。
うーむ…。


アンヌ= ルイ・ジロデ=トリオゾン「エンデュミオンの眠り」

羊飼いの美少年エンデュミオンに恋した月の女神セレネ。
しかし彼女は不老不死のため、彼と添い遂げることができません。
セレネは全能の神ゼウスに頼んで彼を永遠の眠りにつかせ、毎夜彼のもとを訪れたのです。

解説

いやなんか「イイ話だなー」みたいになってるけど、女神やりたい放題ですね。
ギリシア神話の神は大体そんな感じ。

余談ですが昔の西洋絵画や彫刻は、男性の裸体の場合あえてペニスが小さく描かれています。
当時は「男性のイチモツは小さい方が美しい」という価値観だったのです。
むしろ大きな陰茎は「色欲」「怠惰」などを意味するため嫌われていました。

なお日本で江戸時代に流行した春画では、ほとんどの男根が異常に大きく描かれています。
宗教観の違いって面白いですね。

無駄にチンコの同義語を5種類使ってみましたが、私が遊びたかっただけなので特に意味はありません。

この「エンデュミオンの眠り」をnote運営が「猥褻画像」と判断するかどうか気になったのであえて画像上げました。
公開停止になったらご報告します。


アリ・シェフェール「ダンテとウェルギリウスの前に現れたフランチェスカ・ダ・リミニとパウロ・マラテスタの亡霊」

ダンテの「神曲」の中に登場するフランチェスカとパウロを描いた作品。

城主の娘・フランチェスカは政略結婚によりジャンチョットの元へ嫁がされますが、愛は生まれませんでした。
そんなある日、彼女は義弟のパウロと恋に落ちてしまいます。
不義を知ったジャンチョットは怒りに任せてふたりを刺殺してしまうのです。
死後、地獄に落ちたふたりは永久に吹き荒ぶ黒い暴風に苛まれ続けます。

ダンテ「神曲」地獄篇

注目したいのは全裸で抱き合うフランチェスカとパウロの表情。
パウロは布で顔を覆っており、その姿は苦しみに耐えるというよりも自らの行いを悔い、恥じているように見えます。

対照的にフランチェスカの顔はそれほど苦しんでいるように見えません。
むしろようやくふたりきりになれたことに安堵しているのではないか、と感じてしまうほどです。

たとえそこが地獄であったとしても、永遠にふたりきりでいられるなんて羨ましい。

パウロがどうかは知りませんが、少なくともフランチェスカに後悔はなかったのではないか、そんな風に感じ取りました。


まとめ

初めて知る画家が多かったですが、そんなことは全く気にならないレベルで楽しめました。

最初の絵を観始めてから最後の絵を観終わるまでに要した時間は2時間15分
私は結構ゆっくり回るほうなので、サクサク回ればもっと短時間で観られると思います。

GW中ということもあってかなり人が多かったので、やはり平日の日中に行くのがオススメです。
6月12日まで開催しています。

以上、ルーブル美術館展レポでした。


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