2021年の振り返り⑥(最終回)おじ様への手紙
拝啓
おじ様へ。
こちらは段々と冬の足音が近付いてきて、風も切るように冷たくなってきましたが、そちらは暖かいですか。
初めて会った時のこと、今でも鮮明に覚えています。
70歳というお歳には思えない程の、ピシリと伸びた背中。
ギョロリとした眼。
正直、少し怖かったです。
JTに長くお勤めだったこともあり、あなたは煙草をくゆらしながら、私にも吸うよう勧めましたね。
「なんや。あんたはフィリップ・モリスか。まあええわ」
私の取り出したマルボロメンソールライトを見てそ